認知症の定義について書いてみたい。
認知症とは、①原因疾患があり②脳そのものが壊れ③一度獲得した知的能力が衰退し④起こる生活障害の総称である。
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今日は認知症を結論部分から考えてみたい。認知症とは?一言でいうなら、「生活障害」である。
生活障害って言われると、脳梗塞で麻痺した身体もそう。足を怪我して松葉杖ついてることもそう。手の親指使えないと不便になるのもそう。
では、それらと、認知症の生活障害とはどこが違うのか。体は元気、でも脳が認知症だと、何が困るのか?
それは、人間の高次な脳機能、知的な能力が壊れてしまうことに関わってくる。今日がいつかわかる。ここがどこかわかる。目の前にいる知り合いが誰かわかる。道具の使い方がわかる。周りの状況から今はどう振る舞ったらいいかわかる。などなど、、、。
これらが、うまくいかなかったらどうなるか。きっと毎日困難を感じることはイメージできる。生活障害と言ってさしつかえないだろう。認知症になることは脳の高度な機能が発揮できなくなり、生活を送ることが困難になるのだ。
生活するってそんな複雑なことだったの?人間の脳はそんな複雑なことを難なくこなすことができていたんだ。
言い換えると、認知症を知るということは、生活を知るということであり、それを成り立たせる人間の奥深い知的能力を知ることである。
ただ、それを私たちは無意識に行っている。無自覚な能力だからこそ、気づきにくい。だから認知症の人が何で困ってるか分からないのだ。