第六回ワークショップのレポートです!

おまたせしました、第六回の介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、レポートです。このワークショップは、2019年11月30日の土曜日に開催しました。私が風邪をひいてしまい、公開まで遅くなってしまいました。皆さまも体調にはお気をつけください。

さて、この日は参加者さんも少し遅れての参加が多く、ゆるゆると始めていく感じになりました。

セットリストはこちらです。

1、挨拶、ストレッチ

2、ウォーキング

3、身体起こし

4、リンゴトーク

5、田澤君コーナー

6、人生のアンケート

では最初から振り返ってみます。この日はご挨拶のあと、最初ストレッチから始めました。そしてウォーキング。部屋の中を歩き回り、興味のあるものにタッチしていきます。いつもは目をつむって部屋のものを当てる、をやるのですが今回は目を開けたままで、お題のものを探してもらいました。「やわらかいもの」「赤いもの」「頭に『か』がつくもの」「『た』がつくもの」。もちろん人でもOKなので、もう一人の進行役を務める田澤くんを指してもOKですよ。

そのあとは参加者さん同士で挨拶、ハイタッチ、ウインクなど。ゆっくり歩き、早歩きをしていて、ゆっくりハイタッチなどもやりましたね。人数が少ないとすぐ回ってくるから忙しい。このセクションの最後は、身体おこし。二人ペアになってもらい、一人は寝っ転がりゆっくり起き上がってもらいます。関節の音や衣擦れがしたら最初から、というルール。最後の瞬間まで気が抜けません。ゆっくりの指示をしていませんが、結果的にゆっくり動きになるというワーク。また、起き上がりの動作を深く見つめることにもつながりそうです。ワーク中、靜かになり部屋の時計の音が聞こえる位の静寂と緊張感でした。

少し休憩を取った後は、皆さんで円になり自己紹介タイム。リンゴを手に持って一言話して、次の人に回してもらいます。お題は最近行った地名、赤い物の単語、明日以降に行く予定の地名などなど。時間を空けて赤いもののお題で出た単語を思い出して言う、をやりました。本編では話しませんでしたが、これって、様々な種類の記憶を使っているんですね。エピソード記憶、展望記憶、意味記憶、ワーキングメモリ(短期記憶)、、、。皆さん、まだ認知症ではありませんね。あっ、これって新しい認知症チェックの方法になるんじゃないかしら。

そしてリンゴトーク本番です。お題は「介護と私」「演劇と私」リンゴを持った人が話す、否定や無視はしないというルール。時間を制限しないで話してもらいましたが深い話がたくさん聞けました。常連の参加者さんや進行役同士でも知らないことが出てきたりして、とても新鮮な時間でした。中央にもう一つリンゴを置いて、質問したくなったらそれを取ってから話す、にしてみたのも面白かったですね。

さて、休憩後は進行役をチェンジして田澤君コーナー。二人ペアになり、今回は6名で3チーム、A、B、Cチームに分かれます。各ペアとも、80代位のお年寄り二人が同窓会で会って会話するという設定です。まず最初のAチームが思い出話をします。二人の関係は各ペアにおまかせ。高校の同級生や、同じ劇団仲間だったという設定が出ました。その語られる内容も、「そういえばこんなことがあったね、、」と即興的に考えて話していきます。次のBチームは、その思い出話の内容を、実際に演じます。高校の同級生だったら、その当時の架空の思い出話を、高校生になって演じるわけですね。2分程度の会話を交互に繰り返していきます。(A→B→A→B→Aの順番。)これを3チームで順繰りに回していきます。どんな思い出話がでるか、戦々恐々!?また演じるチームの時に新たな話題が出て、それが思い出話ペアに影響されるなんてことも。会話から少しずつ全貌が見えてきたり、思わぬ発展があったりしました。

最後は人生のアンケート。以前もやりましたが、まずアンケートタイム。自分の一番古い記憶、人生で一番充実していたころ、その頃に親しかった人の呼び名、などを思い出しながら書いてもらいます。それを元に、こちらが用意した台本の空欄を埋めていきます。今回は、孫が介護施設に会いに来るが、認知症のお年寄りはその孫を昔親しかった友人と思っているという設定でやりました。参加者さんの人生の一端が見えるシーンがたくさんありましたね。呼びかける場面で涙が出てきて驚いた、という感想もいただきました。

今回は全体的に、『記憶』や『語り』についてが多いワークショップでしたが、いかがでしたでしょうか。こういうワークでは、参加者さんの話をもっと聞きたい!と自然に思います。それに、自分の思い出話をすることも、忘れていたことを思いだしたりと意外な発見がありますね。自分の人生を振り返ることは他人の介護をする上で必要なことかもしれません。

次回の予定は未定です。また決まりましたらお知らせします。2019年はワークショップをたくさんやれて良かったです。新たな出会い、懐かしい再会もあり充実した一年でした。ご参加いただいた皆様、気にかけて下さった皆様本当にありがとうございました。

それでは皆様、良いお年を。