認知症ケアと「支援」

今日は認知症ケアについて書いていきたいと思います。私は介護職として10年ですが、まだこれ!と確立したと感じていないところが認知症ケアです。その位奥深いし、正解がないのがこの仕事ですね。
よく「支援」ということばを使うのですが、介助と何が違うのか?できないところをお手伝いする、それは当たり前ですね。例えばオムツ交換、入浴、着替えのお手伝いをする。(そういった場面でも「支援」かそうでないか、の話もありますがそれはまた別の機会に)その大前提があった上で、その方のやりたいこと、またはやったことがないけど初めてのことにチャレンジする気持ち、を引き出すことが「支援」だと自分では感じています。引き出す、というのも支援者視点の言葉ですね、、、引き出される、つい出てしまう、というニュアンスのことばがあるといいのですが。

普段出すことのないできることの可能性が導き出される。ちょうど今日の職場で、いつもお誘いしても「私はいいです」とおっしゃる男性の方に対して支援と感じる場面がありました。パーキンソン病・レビー小体型認知症の診断がされていました。いつもソファに座ったまま過ごされるのですが、本日は「調理の場面でなにかお誘いしてみよう」とスタッフで相談していました。ただ他のスタッフから、「Aさんは家で料理しないから断られるんじゃないか」という危惧の声もありました。

そこで、私がしたことは、いつもしていただく園芸活動にお誘いし、キッチン近くのテーブルでプランターの小松菜を収穫していただきました。その作業する隣に食材のえのきとボウルを用意しておきました。そこで収穫終わったあと、「すみません、えのきほぐすのお手伝いしてもらえますか」とお誘い。どうかな、、断られるかな?とドキドキしていましたが、なんと「いいですよ!」とお返事が。とても丁寧にえのきほぐしをしてもらえました。これで終わりではありません。作業が終わって手を洗いに台所に行ったところで豆腐がまな板に乗っていました。私はとっさにアドリブで「豆腐切るのもお願いできますか」これも了承してもらい、大きなサイズでしたが切ってもらえました。
ここで大事なのは、豆腐のきれいな出来を優先しないで、Aさんが包丁を使うことを重要だと考え、お手伝いしていただくことを優先したことですね。

御本人にやってみようかな、と思ってもらえる声掛け・環境設定。これらが支援だと感じます。今日はそれがある程度実践できた日でした。。

生活の台本ワークショップ第一回 レポートです!

こんにちは、土田です。年末の慌ただしさや色々なニュースに心が落ち着かない日々ですね。ただいま12月20日(月)の早朝、近所のファミリーマートのイートインコーナーでこれを書いています。ワークショップのレポートを書こうと思いつつ、職場や所属劇団のアレコレで日にちが立ってしまいました。でも、落ち着かない中では書きたくないな、、、となんとなく感じていたのですね、これは先日のワークショップが、自分にとって大切な経験だったからだと思います。

さて、レポートの内容に入っていきましょう。12月11日(土)10:00~11:30、生活の台本ワークショップを開催しました。これは私が主催していた「介護にかかわる人のための演劇ワークショップ」で行っていたオリジナルワーク、「生活の台本」をメインに据えて構成したものです。今回、オンライン開催でビデオ通話アプリZOOMを使用しました。オンラインでワークショップをするのは今回初めてです。企画した頃は新型コロナもだいぶ下火になっていた頃で、今後はリアルで開催かな、なんて考えていましたが 、、、。新変異株が出てきたこともあり、オンライン開催は今後も継続になりそうです。

アシスタントは田澤恭平くんにお願いしました。「介護にかかわる、、、」では共同主催だった彼はZOOMの達人。技術的な面でだいぶサポートしてもらいました。田澤くんがいなかったら今回ワークショップは成り立たなかったです。そして、今回の参加者は3名。過去のリピーターの方と初参加の方!ご参加、本当にありがたい限り。演劇に関わりが深い方が多かったです。さらに参加機材がスマホ、タブレットそれぞれで、ZOOMって操作方法も機材ごとに変わるんですね。オンライン会議の奥深さ!?を感じました。ZOOM、もっと勉強しようと思います。

9:45に開場、少しずつ参加者さんがいらっしゃいます。今回のワークショップの目標は、「ようこそ」とウェルカムな気持ちをこめて言う、でした。オンラインだと緊張するので、そこだけはしっかりしたかったんですよ。10:00にスタート。挨拶、自己紹介をしてワークショップの簡単な説明を行います。そして、ワークショップのお願い事を3点。「画面共有します」と言いながらアナログ手書きの用紙をお見せします。そして参加者さんの自己紹介。①今回呼ばれたい名前、②本日の調子や皆さんに伝えたいことなど何か一言。皆さん、少し緊張しているご様子!?

最初は導入・ウォーミングアップから。まず、名前の表示を呼ばれたい名前に変更して、その後ろに状況を書いてもらいます。「土田@自宅」みたいな感じです。これも接続機材によって操作が違ったりして、もっとうまくお伝えできると良かったな。

「リアルだと歩きまわりながら握手して挨拶したりしますね、オンラインでも握手していきましょう」と「オンライン握手」のワークへ。私がお一人を指名して、お名前を呼びます。「はい」とお返事いただいたら「宜しくお願いします」と手を伸ばして握手のジェスチャーをします。握手した相手は、次の相手を指名して同じことを繰り返していきます。手の角度や位置がちょうどいい位置に来ると実際握手してるように見えて面白かったです。そういえばある介護の研修会で講師が生徒全員とのエア握手をやっていたのを思い出しました。エア握手は感染症対策にいい感じかもしれません。最後は全員で両手をクロスして、輪になっての握手をイメージして終わりです。

そして、どんな人が参加しているための質問コーナー。これは、ZOOMのチャット機能を使います。「好きな食べ物」や、「好きな役者」を聞いたりしました。佐野史郎さん等のお名前が出ていましたね。ジョン・ローンという役者さんは知らなかった、チェックしてみよう。

他の参加者さんと馴染んてきたところで肩のストレッチへ。オンラインは身体が普通と違う疲れが出ます。前もってほぐしておきましょう。肩の上げ下げしたあと、肩を両手で触って肘をぐるんと回すのを3回。そうしたら、「画面の四隅」というワークへ。右手の指を右上の画面の角に当てます。そこからオンラインの画面の端をなぞって一周します。これ、私が過去にやって苦戦して面白かったワークです。とにかく「何で真っ直ぐいかないの?!」と自然と笑顔になります。左手の指先もやったあとは、手のひらを広げて横に動かしていきましょう。画面の汚れをキレイにするイメージです。終わったあとはなんだか皆さんの顔色も良くなった気がするのが不思議です。

さあ、ここまでがウォーミングアップ。ここから本題の「生活の台本」ワークに入っていきます。最初に簡単なレクチャー。「認知症とは何か?」の定義を紹介します。結論から言うと、認知症とは「暮らしの障害」、イコール生活障害。では「生活とはなにか?」これをみんなで考えていこう、というのがこのワークショップです。ここで、ZOOMの投票機能を使い、簡単なアンケートを取りました。介護の経験があるか、認知症の方と関わったことがあるか?などをお聞きしました。

ここで、生活の台本ワークのお題の発表です。今回のお題は、、、「歯みがきをする」!これを分解していきましょう。5分の時間内に、用意していただいた紙に書き出してもらいます。例えば1,洗面台の前に立つ、2,歯ブラシを手に取る、、といった感じです。次にこちらで指名したペアになってブレイクアウトルームへ。まずは一分で「読む人」「演じる人」を決めてもらいます。1分たち、メイン画面に戻ってきたら、誰が読む人で演じる人か確認。再度同じペアで、今度は5分、ブレイクアウトルームへ行きます。ここはお互いに書いたものを読み上げて、お互いの内容をシェアしてもらう時間です。感想を言い合ったり、相手が読んだ行為を実際に動いてみたり。ここで、お互いに質問しあってもらうでも良かったな。置き場は?とか歯ブラシの色は?など、よくわからなかった部分を質問をし合うと面白いかもしれません。

5分のシェア時間が終わったところでいよいよ発表です。今回は2チームということもあり、代表者でZOOMじゃんけんをしてもらいました。勝った方が先行後攻を決めてもらいます。発表は、「読む人」が自分の書いたものを読む。「演じる人」は読まれた行為を実際に演じてもらう。「演じる人」はZOOMのスポットライト機能で画面にアップされていて、読む人の声に従って、画面の中で演じてもらうわけです。そして終わったら交代。を行いました。

いやあ、、、面白かった!実は個人的には「地味なワークだし、淡々と終わるかな?」なんて考えていましたが正反対でした。以前もこのワークで結構笑いも起きていたことを思い出しました。最初のペア「読む人」役の「ここにモンダミンがあって、、、」の言葉でまず爆笑。固有名詞が出てくるととたんにイメージが湧いてきます。そのペアの方、「まずコップの汚れを確認する」というのもその方の個性が出てますね。他にも、何でそんなところに?!という置き場だったり、スマホを見ながら歯を磨くなんて話が出てきたり。いやあ、豊かな時間でした。「生活」って本当に一人ひとり違うことを実感。無理に面白いことしなくても、何より面白いのはその違いなんですね。自分では普通のこと、当たり前のことが他の人にとっては面白かったり興味深かったりする、ということに気づきました。参加者さんの分解の仕方は2タイプに分かれていました。歯を磨く行為そのものを細かく分解して書くタイプと、歯磨き自体はサラッと書いて、その前後の準備や片付けに詳しく書くタイプ。私も自分で書いてみたのですが、行為としての歯磨きを分解する前者のタイプでした。準備や片付け、磨いている状況など、意識していなかった部分がたくさんあることに気づきました。今回の参加者さんように、「自分の、普段やっている様子」や「どんな場所でやっているか」なんかがイメージとすごく面白くなるんですね。だから、台本のト書き風じゃなくて、「この洗面所はすごく狭くて、、」とか「この左側にお風呂があって、、」とか、「鏡はこのぐらいの大きさで、、、」など、語りで解説が入るといいかもしれない。語り方も楽しめるように検討してみましょう。

最後は、生活の台本ワークの振り返りをして、終了です。「いろんなことを同時にしかも考えずにやってることに気づいた」「相手の書いたものを演じるから、細かく書いてもらうとやりやすかった」「普段と違う他人の動きをやるのが面白い」、「生活と演劇がつながった」などの感想をいただきました。

以上でワークショップ振り返りレポートは終了です。ワークショップ後、良い時間を過ごせた余韻が数日続いていました。ご参加いただいた皆さん、アシスタントの田澤くん、関心寄せてくださった方、皆さんに感謝します。次回の日程は決まっていないですが、またタイミングを見てやりたいですね。今後は自分のペースでゆっくり進んでいきます。開催の際はまたこのブログ等でお知らせいたします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

第四回ワークショップのレポート

7月も終盤になって暑くなってきましたね。こんにちは、土田です。実は私、7年間勤めていた職場を退職することになりました。介護職は続けていく予定ですが、何だか人生の転換期。もちろん、このワークショップは続けていきますよ。

、、というわけで、7月に第四回 介護にかかわる人のための演劇ワークショップを開催しました。少し時間がたってしまいましたが、以下、レポートです。今回は初めて体育室を使いましたが解放感があってよかったですね。

最初はウォーミングアップ。椅子に座ったままできるストレッチをやりました。実は私、ケーブルテレビでやっている介護予防の番組に、はまっていまして。その番組のストレッチから今回厳選して組み立てています。椅子に座ったままできて肩甲骨や股関節にもアプローチできるというのがポイントで、介護現場でも使えそうなものばかりです。次回以降もやっていこうと思いますので興味がある人はぜひご参加下さい。

脇を伸ばしたり
股関節にもアプローチします

次に、30秒タイムアタックというゲーム。目をつむって、30秒ぴったりを当てるというゲームです。一番近い人が優勝となります。最初は普通にやって、次は30秒超えたら失格というルールを付け加えました。早めに手を挙げても、他の人が失格したら勝てるわけですね、ちょっと駆け引き要素が生まれました。最後は目を開けたままでやってみる。お互いの様子見の場面、ちょっとハラハラしましたね~。30秒の感覚をつかめたところで、自己紹介回し。お題は「最近はまっていること」を「30秒」以内に話します。短い?でも大丈夫、これは二週します。二回目が来るので話したりなかったら続きを話してもいいし、別の話をしてもいいのです。色んな趣味や好みが聞けてちょっとワクワクしましたね。朗読だったり、ワインのおススメだったり、自分の気持ちのことだったり。ちなみに私は「山ちゃんと蒼井優さんの結婚記者会見の動画を見ること」を話しました。そういえばレポート冒頭にあげた体操番組も「最近はまっていること」でした。

次にYESNOゲーム。お題の質問に、一方をYES、反対をNOとして、一列に並んでもらいます。「お酒は好き?」「運動は得意?」などどんな人かを知る質問から始め、「介護を経験したことがある」「認知症の人と話したことがある」など、介護にかかわる質問もありました。続いて、「これって介護?」と題して、介護のシチュエーションについて、それが介護だと思えばYES、違うと思ったらNOに並んでもらいます。例えば、「高齢の母親のオムツをかえる」、「お風呂に入る手伝いをする」。これら身体介助は介護と分かりやすいですよね?では、「歩くのを見守るだけ」だったり、「トイレの時間の声掛けをすること」は、介護なのか?どうなのか?また、相手が高齢だと介護だけど、同じことを幼児にするとそれは、介護?、育児?などなど、介護という言葉から生まれるイメージの、その境目を考えてみました。このワークのあとは、輪になって自分にとっての介護とは、を感想含め話してもらいました。これも30秒で二回回しです。色々な意見を聞くことができましたね。

次は、久しぶりの「見守る。」まずはウォーキングからスタートです。最初にスピードをそろえて歩きます。合図したら、徐々に早歩き。次は、合図したら徐々にゆっくり歩き。最後は、早くかゆっくりか、好きな方を選んでいただきます。同じ空間に、早歩きの人とゆっくり歩きの人が同時に存在する空間。パフォーマンスのようで私は見ているだけで楽しかったです。

目をつむったペアを誘導します

今度は参加者同士のコミュニケーションへ。最初はアイコンタクト→ウインク。次は挨拶しながら握手。そして握手しながら空いてる片手で別の人に握手するを繰り返していくワークへ。これは久しぶりにやったんですが、やはり盛り上がりますね。単純なんだけど自然に体がほぐれて参加者同士の壁が一個剥がれる感じがします。

いよいよ本題の「見守る」へ。まずはブラインドウォーク。ペアになり、ジャンケンをして先攻後攻を決めます。先攻の人は目をつむり手のひらを下にして腕を伸ばします。ペアの相手は人差し指を手のひらにあて、ゆっくり歩いて誘導していきます。まずはまっくらな世界を体験してもらいます。交互に暗闇の中を歩くことを経験したら、いよいよ本題。今回は誘導しません。どこにも触らない状態で、目をつむった人は自由に遊んでみます。危なくなったらペアの相手は手を腕や肩にふれて止める、というワーク。今回は声には出さずに触れて止めるというルールでした。これを交互にやったあと、相手が大きな風船に入ったイメージで、その風船のどこかに手をふれて見守る、というのをやりました。ペアで振り返ってもらい、全体にシェア。見守るって、介護だけじゃない、というものや、声を使ったらまた変わったんじゃないか、という感想もありましたね。色々試してみましょう。そうそう、途中で目をつむるのが怖いので、、、と見学を申し出てくれた方がいて良かった。気楽に今回のワークは見学します!と、抵抗感や疲れを感じた時にワークからすっと離れることができるといいですよね。最初のアナウンスでお伝えするのですが、そういう言い出しやすい空気を理想としているので、実現できてちょっとうれしかったです。次回以降の参加者さんも見学したい!といっていただいてOKですよ。

これも誘導中の場面
目をつむって遊んでもらって見守ります

休憩を入れたあとはお待ちかねの田澤君コーナー。

私からのリクエストで、「これはなんですか」をやってもらいました。以前の回で一回やってもらったことがあるのですが何か感じるものがあったんですね。前回は時間押してて巻きでやってもらったのもあって、今回は時間もたくさん使えるスケジュールで組んでみました。まずはおなじみ、「ねえねえ」。一人が「ねえねえ」全員「なーにー?」一人「○○しようよ」全員「いいねえ」で、皆でその○○を表現します。どんどん発想を柔らかくしていきましょう。皆で飲み会をしたり、ごろごろしたりしました。今回は割とインドア系だったかな。

組体操はやりました!

つづいて、「これはなんですか」です。まずは部屋中に参加者さんお持ちの小物を並べます。ペンケース、アイブロウ、雨合羽などが床に散らばった状態になります。次にペアになって、片方が好きなものを指さします。「これは何ですか」相手は「これは、○○です」と答えます、指さした人は「これは○○なんですね」と返事する。ルールはこれだけです。単純なんだけど、奥深い。ペアを交代してやってみます。「これは○○なんですね」、の返事の時に感情こめて返事してみましょう、という指示があり、やってみると相手も乗ってくるのが分かりました。それに自分も、あげて返してもらえるのうれしい。これって日常のコミュニケーションでもそうですよね。まるで子どものように部屋中のものを聞いてしまいました。お題はレベルアップし、○○です、に形容詞をつけます。「○○な□□です。」やってみると分かりますが、形容詞をつけるのも色んな選択肢があるなあと実感しました。ペンケースを見て「青い」か、「四角い」か、「素敵な」か、、、。同じものでも色々な切り取り方があるものですね。さらにバージョンアップ。見たままではなく、別の何かとして答えます。普通のボールペンを指さして「おおきな、くじらです」と答えたりしました。これも発想が豊かになる瞬間。これも、相手に「へえ~、○○なんですね!」とリアクション多めに受け入れてもらえるので、何だか楽しくなってきます。

なんだか私、楽しそう、、、
リアクションが豊かで笑いをとっていたペア
会場の中のものすべて対象です

ここでちょっと考察。「内臓とこころ」という本より、指さしや名づけというのは人間の本質的な体験だ、という話がのっていました。以下、引用、、ルートヴィヒ・クラーゲスという、ドイツの哲学者は、幼児が「アー」と声を出しながら、遠くのものを指さす、この動作こそ人間と動物を区別する、最初の標識だといってます。、、、

さらに、その本では一歳半あたりからこれはナーニ?とひたすら聞き続ける時の幼児の内面を考察しています。つまり、舐め回したり触りまわしたりした感覚の記憶で対応できない目の前のモノ。それを実感するためにこれはナーニ?これは○○だよ、と聴覚で聞いて、音の響きを何度も聞いてそのモノの存在を実感するのだ、というのです。「指をさして、声に出す。」「その名前を名付けて音の響きを味わう。」なんてまんまこのワークのことじゃないですか。そうか、「これはなんですか」は幼児の頃のものを初めて認識した頃の体験を再体験してるともいえますね。

最後の方は、一言で終わるのが惜しくなってました。思い付きで答えた「○○な□□」について、もっと聞いてみたい、話してみたいという想いが生まれました。この後、会話を続けてみたら面白いんじゃないかなあ。演劇的な要素がいっぱいつまってますね。ワークの30秒振り返りも行って、これも有意義な時間でした。

さて、最後のワークに移る前に、「だゆうの認知症講座」です。今回は認知症の定義をさらっと話して、お役立ち情報をふたつほどお伝えしてみました。認知症の定義から、生活とは何かという話へ。そして本日の最後のワーク、「生活の台本」です。まず皆さんに生活行為について思いつくものをあげてもらいました、そして、その中から多数決で台本化するものを決定しました。今回のお題は、、「挨拶をする」!これは私からは決してでなかったであろうお題でした。挨拶をしようと思うところから始まり、最後の挨拶をし終わるところまでを分解して書いてもらいます。それをペア同士で皆の前で読み、相手はその分解した行為を身体で演じます。挨拶、というお題から、挨拶するときの目線、口の開きを分解してみたり、義理の親の家にお盆の挨拶にいく、のを分解してみたりと色々な場面が出てきました。職場だったり、ご近所さんだったり、挨拶って生活に密着してるんだなあと実感しました。それに人によってする場面や想定する場面がバラバラ!挨拶って、生活のどこかに混じりあっていて、多様性が現れる行為なのかもしれませんね。

「挨拶」を、分解して書いてもらっているところ。

最後は「振り返り」今回は、30秒感想回しというスタイルで行ってみました。一人30秒で感想を言う、を二周します。他の方の感想を聞いての二回目は新たな発見があるし、30秒でぎゅっとまとまってて聞きやすかったですね。この感想スタイルは今後もやっていこう、タイムキーパーは田澤君のタブレット。

さて、レポートは以上になります、いかがだったでしょうか?今後も「介護にかかわる人のための演劇ワークショップ」は継続して行っていきます。ご興味ある方はお気軽にご参加ください。リピーターの方が多いのが特徴で、本当に参加してくださる皆様、ありがたい限りです。参加人数も徐々に増えてきていますのでもっと大勢の方が楽しんでくれる場になるよう、精進していきます。

そうそう!今回よっちゃんこと吉田みずほさんがアシスタントで参加してもらいました。いやあ、ナイスアシストありがたかった!さらに振り返りも参加していただきました。吉田さんは役者さんですので、ぜひ出演情報などもチェックしていただければと思います。

次回は9月15日(日)、13時~17時を予定しています。場所は下高井戸駅近く、松沢区民集会所の和室です。ご参加お待ちしております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

介護にかかわる人のための演劇ワークショップ第2回 レポートです!

 

2019年も2月になりました、だゆうこと土田です。

認知症講座の最中

最近は私、37歳にして初めて虫歯になりまして、歯医者通いが始まりました。歯磨きはやっぱり大事だな、、、と実感している日々です。当日も歯が欠けながらワークショップやっていたのでした、、、虫歯って怖いですね。皆さんもお気をつけください。

 

さて、第二回介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、レポートです。このレポートは、当日参加者の皆さん、当日参加できなかったけどどんなことやるの?と興味を持ってくれている皆さんに向けて書いています。ワークショップこんなことやったよ、という内容、我々のどんな考えがそのワークに含まれているのか、その他ワークショップから生まれた考察などを書いていきたいと思います。

  さて、当日午前から集まっての共同主催者田澤さんとの打ち合わせ。

おやつコーナーにて

喫茶店で、こんなワークやりたいんだよね、と私が話すと、うーんと考えたかと思うとあれは?これは?と指摘をもらい、みるみるうちに一つ新作ワークが出来上がりました。後述しますがキラーコンテンツになりそうな予感。今回の参加者さんは4名。演劇関係の方が多かったです。リピーターの方1名、初参加3名でした、ありがたいことです。介護関係・育児関係の方、ご参加お待ちしています。

 それでは、ワークの内容に入っていきます。会場は我らがホームタウン(!?)、松原区民集会所の和室。畳で落ち着いた雰囲気、緊張感が和らぎます。最初のご挨拶を終えて、まずは「歩き回る」です。自由に部屋を歩き回り、会場に体をなじませます。
ストップして目を閉じてもらい、指定のものが部屋のどこにあるか、を指さしてもらいます。細かな観察が大事ですね。姿勢を良くする歩き方もやりましたね。歩きながら、舌の先を上アゴにつけて、あごを少し引きます。これだけで姿勢が良くなるから不思議。手の角度を変えるのもやりましたが、私の見本を見せれば良かったですね。次に歩き回りながらのアイコンタクト、挨拶を言いながらのハイタッチ、肩と肩、背中と背中、膝と膝の挨拶。今回さらに、指と指、爪と爪をやりました。指の時、E.T.やればよかったな。爪と爪は意外と体の動きが面白かったです。ミニマムな方のコントロールが難しかったりしますね。

 最後はスピード合わせ。通常の歩きを5段階中の3として、声に出された数字に合わせてスピードを調整します。5が最速、1が最低。とっさにスピードが変わるので、一瞬でテンポを変えるのが難しい。最後は0.5から、0.00001をやりました。想像もつかないような遅い動き。これを身体で体験していただきました。後日、職場で介護中にこのワークが役立ちました。お部屋まで行きたいのに、周りが気になったりして中々進んで下さらない入居者さん。つい、あせって急がせてしまうのですが、そこでこのワークを思い出して、とんでもなく遅いペースにギアチェンジしてみたんですね。動きも、しゃべり方もゆっくり。そうすると、自分のあせりがふっと消えて、落ち着いて声掛けすることができました。介助が終わった後、片付けなど業務に戻ったらギアを5にしてスピードアップ!このスピード合わせワーク、ケアに関わる方にいいかもしれません。それにしても自分のワークショップで仕事の気づきを得るなんて、なんと役得なのでしょうか。

 

休憩中に何故か始まったストレッチタイム

ジャンプの瞬間!

 歩き回るが終わったあとは、「氷をとかす」。共同主催者、田澤さんタイムです。最初は円になって拍手。全員で息を揃えてやりました。拍手+ジャンプと難易度が上がっていきます。拍手が一発でそろうと気持ちいい。その次は、前回もやって評判の良かった「ミャンマー」というワークです。

 全員で円になって、順番に「ミャンマー」と口に出すだけ。順に数を増やしていきます。最初の人がミャンマーと言ったら、次の人がミャンマー、ミャンマーと2回、さらに次の人は3回、、、という風に。魔法の言葉、ミャンマーは気合を入れれば入れるほど失敗してしまいます。この、緊張感。

失敗しちゃった!

 今回は、失敗したら「失敗しちゃった!」とポーズをとる、それと並びをシャッフルして、「テヘペロ」ポーズ(ペコちゃんみたいにウインクして舌を出すポーズ)をとる、の2パターンをやりました。このワーク、失敗することは目的でないと思います。それよりも、失敗をおそれず「チャレンジ」する。成功したらうれしい。でも、間違える時はある。その時に(ああ、だめだあ)と落ち込むのではなく、(失敗しちゃった、えへっ!)と皆で前向きに受け入れていくということ。が大事なのかもしれないですね。ワーク自体はシンプルながらも盛り上がり、笑いも生まれていましたね。

 「氷をとかす」の最後は、「これは何ですか」。部屋中に小物を置き、二人ペアになって、部屋を歩き回りながら「これはなんですか」と聞きあいます。相手は「これは○○です」と答え、「これは○○なんですね」と返事するだけのゲーム。最初に、これ面白いのかな?!と思わず思ってしまいましたが、参加者さんから、「自分の子どもの部分に立ち返ることができた」、といった内容の感想をもらいました。自分が言ったことに、そのまま認めてもらう=承認してもらう感覚をこのワークで体験されたのかもしれません。次に、これは○○な○○です、と形容詞をつけていいます。(例:赤い鉛筆です)最後には発展形として○○の内容を自由に変えて言う、をやりました。普通の鉛筆を指さして「これは、丸い、くじらです」。想像力を豊かにいきましょう。さらに、「これはアーな、ウーです」みたいに意味のない音にしてもかまいません。やっていくうちに参加者さんの発想力が少しずつ開放されていきます。思わず笑ってしまう回答もあり。私は、このワークの様子を見て、介護現場で見覚えのある光景だ!と一人興奮しておりました。介護現場では、認知症のお年寄りが目の前の物を、事実と違う物に認識して発言することは良くあるのです。「あそこに男の人がいるわ」とか、「これは○×▽(単語にならない発声)なのよ」など、、、。慣れていないスタッフさんだと、思わず発言を否定したり、自分達の都合の良いように誘導したりしてしまいがちです。そうではなくて、「ああ、男の人がいるんですね」「○×▽なんですね」と、まず、受け入れてあげることが大事なんだ、ということを再認識できました。

後日、職場で使ってみたのですが、一番発見があったのが、お年寄りに対してではなく、スタッフさんに対してでした。職場にてスタッフ同士の会話中など、つい否定したり指示したりしてしまっていたんです。反省。これは介護現場だけでなく、どこの職場、家庭でもそうかもしれませんね。日常生活にも役立つワークでした。

 予定を少し変更して、「YESNOゲーム」。質問に対してYESNOの位置に並びます。お酒が好き?介護の経験はある?など、参加者さんの人となりや経歴がうっすらと分かってきます。次は「並びかえゲーム」。言葉を使わず、お題にそって一列に並びます。びっくりしたのは指の温度順。最初の人からすごく暖かい!これ以上暖かいなんて、、と思いましたがちゃんと順番通り暖かくて冷え性の私は驚きました。かなり指温度の高い人揃いでしたね。並び替えの最後のテーマは出身地。北から南の順に並びました。中央にできた東京(世田谷区、杉並区、北区)の皆さんが正確な位置関係でならんでいて面白かったですね。足の大きさもやりました。

だゆうの認知症講座でカンタンに認知症の定義を説明したあと、生活の台本に入ります。これは前回、前々回もやりましたが、今回はお題を参加者さんに上げてもらいました。「パジャマを着る」「掃除機をかける」「ご飯を炊く」など出ましたが、その中から今回は歯磨き、をやりました。私が歯磨き大事と身に染みていた時期だったので、このテーマを無意識に選んだんでしょうか。でも歯磨きってとってもいいお題でした。誰もがやるし、プライベート度が高いので、人によっての違いも様々です。


ワーク自体の説明をします。5分時間をとって、歯磨きの行為を分解して紙に書いてもらいます。皆さん頑張って書いて下さっていました、30項目近く書いた方もいましたね。これが世界に一つだけのオリジナル台本です。それをペアになって自分の書いたものを読み上げます。ペアの相手はそれに合わせて、隣で身体を使って演じていきます。

 歯磨きだからたいした動きをしないのですが、これが面白かったです。皆さんかなり笑ってましたね。まず歯を磨いて、フロスをして、うがいも水なのか、洗浄剤なのか?こだわりなんて大それたことじゃないんでしょうが、生活の習慣ってこんなにも違うものなのですね。そうそう、歯磨きにたどり着くまでの内面だけで終わった方もいました。認識して、考えるだけでも何個も項目ができるものですね、哲学的。それとは逆で、ひたすら具体的に磨く行動を描写するのも哲学的ですよ、歯磨きとは何なのか、、、を考えさせられました。磨き方も縦みがきする方もいました、奥が深い。介護現場で口腔ケアする時に、右か左、どちらから磨きますか?って聞いた方がいいかもしれませんね。意思を伝えられないような重度の入居者さんは、こっち側から磨いてほしいのに!って思っているかもしれません。生活のことを考えるのって、細かくて深くて、面白いなあ。

  さて、お次は新作、「今日は火曜日/何してんの(仮)」です。これは二つのワークから成り立っています。まずは、「今日は火曜日」から。リーダー役が、「今日は火曜日だよ」というのに参加者さんが一言答える、それを順繰りに回していきます。答える内容は、火曜日だ、を受けてそれに乗っかる回答です。例えば「大変だ、ごみの日だ!」とか「今日はお休みだ!」とかなんでも良いのです。ただし、「そんなわけないじゃない」とか「何言ってんだ」などと、全否定するのはなし、というルール。

これは演劇ワークショップの精神、「YES、AND」(まずは受け入れて、それを前に進める)を体現するワークです。今回は私が火曜日だよ、という役をやりましたが、これは交代制でやっても良かったですね。皆さんのはっとするお答えに、思わずニヤリとしてしまう。次に発展形の介護バージョン。認知症の方の基本的な症状として、何度も話を繰り返すという症状が特徴的です(全員というわけではありません)。介護現場でよくある状況として、お食事後にも「ご飯まだなの」とおっしゃることがあります。これを「YES、AND」で返答してもらいました。「ご飯まだなの?」に対して「むこうで作っているみたいよ」「これ食べて待っててね」「何、食べたい?」「お腹、すいたね?」などなど。介護職の私も唸ってしまう参考になる回答がたくさん出ました。実際においても「さっき食べたでしょ!」と否定するのではなく、その方の気持ちを受け入れて、このワークのように対応できると良いですね。次の「何してんの」は、演劇ワークショップでも割りとよく登場するワークです。一人が何かのジェスチャーをしています。次に並んでいる人が「何してんの」と聞きます。聞かれた方は、今やっているジェスチャーと違うことを言います。聞いた方はそのジェスチャーをします。例えば、Aが掃除のジェスチャーをしています、Bが「何してるの」と聞いて、A「バスケットボールしてるの」と答えたら、Bはバスケットボールの動きを演じます。次のC「何してるの」B「洗濯してるの」、Cは洗濯のジェスチャーをする、これを順番に回していきます。思わぬ言葉にとっさに動けず戸惑ったりしますし、自分の動きと違うこというのって結構難しいんですよね。

これもさらに介護バージョンに発展させます。「あら○○さん」と呼び掛けられるのを、否定せず受け入れた一言を返事します。○○は、固有名詞でも、職業でも、有名人の名前でも何でもありです。例えば、「あら時計屋さん」には「いつもお世話になっています」、「あらお母さん」には「ただいま、もうご飯食べた?」と呼び名に合わせた返答をします。一言ならず会話が発展するペアもありましたね。これは、認知症の方が相手を自分の記憶の中の誰かと思い込んで呼び掛ける状況を想定しています。


そして最後の発展形では、今までを組み合わせたお題です。介護現場の設定で、入居者さん役、と介護者さん役になります。まず、介護職が「こんにちは」、入居者は「あら○○さん」と自由に呼びかけます。それを受け入れる返答をしながら、介護者「今何してるんですか?」、入居者「○○してるのよ」と答えます。「○○してるんですね」と受け入れて会話していきます。そして、この介護職は入居者さんをお昼ご飯の食堂まで連れていきたいという目的があるという設定です。会話をしながら、うまくかみ合って連れていければOK,でも連れていけなくても会話が盛り上がってもOK、というゆるい縛りにしました。何がなんでも、だと強引な選択肢も出てきてしまいますからね。

今回は、制限時間は2分でやってみました。、、、これが盛り上がりましたね!介護職はお昼ご飯連れていきたいけど、「犬の世話をしないといけない」、「パスタを作って食べなきゃいけない」、など大事な用事をしている人をどうその気にさせるか?短い時間でしたが、それぞれのペアでドラマが生まれていましたね。この課題を上手にクリアするのはかなり難関です。ちなみに、私は介護者役をやった時に、見事に敗北。食堂に連れて行けず、犬のお散歩することになりました。
でも、たとえうまくいかなくても、入居者役に振り回されて右往左往する方がウケて盛り上がります。それはそれで良し、なんですね。目的と衝突という演劇のドラマ構造がここに含まれている気がします。このワークは我々の、目玉のワークになりそうな予感。次回以降もやって、育てていこうと思います。

 最後は前回もやりました、「人生のアンケート」です。アンケートをもとに、お芝居の一シーンを作っていきます。内容は、輝いていた時代はいつか、何をしていたか、誰と一緒にいたか、というもの。将来自分が認知症になった時に、いつの時代に戻るのか、誰のことを呼びかけるのか、を想像してもらいます。演劇関係の参加者さん二人が同じ回答になっていたのが面白かったですね。役者は好きなことが「芝居の稽古」。それが趣味であり、人生の大事な時間でもあるんですね。今回はただアンケート取るだけでなく、ペアでインタビュー形式で聞きあってもらいました。その分、深い内容のアンケートになったように感じます。これ、お互い聞き書きみたいな感じでできたらいいかもしれませんね。

インタビュー中

各ペアとも役割を変えて、介護施設の設定で、台本を持ちながら入居者役、面会者役を演じてもらいました。このワークはアンケートをもとに作っているので参加者さん本人が垣間見える気がします。前回もそうでしたが、見ながらぐっと来てしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後は輪になって感想タイム。概ね好意的なご感想をいただき、ほっとしました。色んな気づきを共有させてもらい、主催の私も気づきをたくさん得ました。ありがとうございます。最近ご家族を見送った参加者さんから、急変する時期にご家族の入居施設に泊まることで、ぐっと介護職と身近になったという話をしていました。その経験で、たくさん話す機会もできて良くわかったけれど、それまで週一回の面会だけでは全然分からなかったとのこと。そうか、最期の大変な時期に分かっても遅いよなと思います。介護施設でご家族にお泊り会を企画して、来てもらえばいいのじゃないかな。

 終わった後は近所の居酒屋「たつみ」にて、有志で打ち上げ会でした。介護職の方と演劇関係の方が語りあっているのを見て、この飲み会は普段出会わない人達が出合い何かが生まれるプラットフォームになればいいなと夢想してしました。もちろん楽しく飲んで盛り上げるだけでも充分なんですけどね。そうそう、おススメの飲食店紹介を一分回しでやりましたね。これは面白いのでまたやりましょう。飲み会の一部をワークショップ化。

今回上がったのは、、下高井戸「ちゃぶだい」のハンバーグ、松陰神社前「おがわ屋」のおでん生食、千歳船橋「よつ葉」の汁なし担々麵、「ヴィレッジヴァンガード ダイナー」のハンバーガー。でした。

 さて、次回は4月頃にやれるかな?また、日程決まりましたらこのブログでもお知らせしますね。たくさんのご参加、お待ちしてます!

 

第一回 介護にかかわる人のための演劇ワークショップ レポートです!

 はい、土田です。第一回介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、開催しました。

今回は参加者3名と少人数で、ぎゅうっと濃密なワークショップになりました。このワークショップは田澤恭平くんと私土田悠二人が主催の演劇ワークショップです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                           

以下レポートです。

最初のご挨拶、畳の会場なので、少し落ち着いた雰囲気が流れる気がしました。自己紹介と注意点をお伝えし、まずは「歩き回る」のワークです。前回はかなりマニアックな、、、自己に没入するような内容を中心にしていましたが、今回は、「いわゆる」ウォーキングといわれるワークをやってみました。会場を観察してもらい、目を閉じてあるものの位置を当てるゲーム。続いて、歩きながら他の参加者さんにアイコンタクト・ハイタッチ、挨拶を言うというコミュニケーション。肩タッチ、背中合わせ、膝タッチをやりました。まだ歩き回るは続きます、スタート・ストップ・ジャンプ・スローの指示で歩く。指示の入れ替えを行いました。誰も間違える人がいなかった!全然、間違えていいんですよ~。

 歩き回るの後半は一列に並ぶコミュニケーションワークをやりました。全然歩き回るじゃあないですね。まずはYESNOゲーム。部屋の一方をYES、反対側をNOと決めて、質問に合わせて一列に並ぶ。お酒は好きですか、介護の経験はありますか、演劇の経験はありますか、などのお題で並んでみました。演劇経験、子どもの頃の学芸会入れたら確かにみんなありますね。いくつかやっていく中で、今回の参加者さんの経歴がうっすらと見えてきます。次に、お題ごとに並ぶ、声には出さないで。身長順、体重順、誕生日順、手の大きさ順、指の温度のあったかさ順、でやりました。指を皆さんで触りあう光景が面白かったですね。

 もう一人の進行役、田澤恭平くんの「氷をとかす」のコーナーです。

「ミャンマー。」順繰りにミャンマーと言っていく、回数を一個ずつ増やしていく。噛んだりつっかえたらみんなで万歳ポーズして「失敗しちゃった!」というゲーム。単純だけど面白い。アンケートでも人気でした。

 

 

 

 

 

 まず、ミャンマーという魔法の言葉。繰り返せば繰り返すほど難しくなる。そして、このゲームのテーマは、「失敗を許容する」。わざと失敗したり、適当にやるのではなく、ちゃんとできるようにチャレンジする。でも失敗しちゃったら仕方がないよね、という気分を皆で共有するのです。私はこのワークから「注文をまちがえる料理店」というイベントを思い出してました。詳しくはコチラ。この企画、注文をまちがえるという失敗を目的にはしてないんですね。がんばってチャレンジして、それでも、失敗しちゃったときに「注文をまちがえる」が起こる。それを受け入れようよ、てへって笑いあえる関係を作ろうよ、というのがこの企画のポイントだと思います。成功を目指すことと、失敗を期待する、この兼ね合いが難しかったって、主催の方がネットの記事で書いていました。失敗しないようにがんばる、うまくやるという目的がある。でも失敗しちゃったことで起こることが、結果的には、面白くて楽しみになっているという、、、二重構造。ここでは、その象徴として「てへぺろ」って言ってました。今回やったミャンマー、も、間違ったら手を頭の後ろに当てて、舌をぺこちゃんみたいに出して「てへぺろ」っていうのも、アリかもしれません。そういう雰囲気が当然の社会になったら、認知症や何かの障害があっても生きやすいでしょうね。

 「魔法の杖があったら」というワーク。手をぐるんとまわして魔法をかけるポーズ、「魔法の杖があったーら」の掛け声のあと、なんでも好きな叶えたいことを言っていく、というルールです。「女性になってみたい」「仕事をやめたい」「空を飛びたい」など頭を柔らかくして発想がどんどん豊かになっていきました。私の願望は自分の仕事関係ばかりでしたね。

続けて、「ねえねえ」。誰かが「ねえねえ」と言ったら全員で「なーにー」と返事します。「○○しようよ」と言うのに合わせて「いいねえ」と返事。その場でみんなで演じます。サッカーしたり、筋トレしたり、休んだり、もちつきしたり、バンドで演奏したりしましたね。演劇ワークショップで一番好きなワークです。氷は十分すぎるくらいとけたんじゃないでしょうか。

 

 そして、「見守る」。ペアになっての暗闇ウォーク、一人が目をつむってもう一人は背中を押して誘導します。次に触らず声だけの指示で歩く。最後は大きな風船に入っているというイメージ、そのどこかに触れているようにして見守りながらついて歩くというワークをしました。この見守る、介護だけでなくて保育でも、障害者の方の介助も一緒のことですよね。今回は参加者さんが少なかったから難易度は低めだったかな?人数多めでまたやってみたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私たちのオリジナルワーク、「生活の台本」に入る前に「だゆうの介護講座」。認知症のことについてレクチャー形式で説明してみました。

 いやあ、講義するのって難しい。しどろもどろになってしまった。認知症の定義は説明できても、「認知症とアルツハイマー病の関係とは?」「アルツハイマー病って何ですか?」にうまく答えられなかったです。改めて説明してみます。認知症は生活に障害が起きる症状の総体です。例えるなら鼻水や頭痛といった症状と一緒。例えば、鼻水の原因は風邪という病気ですよね。それと同じで認知症の原因となる病気がたくさんあり、その一つとしてアルツハイマー病がある、という関係なんですね。アルツハイマー病の定義ですが、「認知症の原因疾患の中でも、最も多い病気。脳に特殊なタンパクが蓄積し、記憶を司る海馬を中心に、広範囲に委縮していく」と、レポートで書いてみました。(「ぜんぶわかる認知症の事典」 河野和彦監修 より)次回はもう少しわかりやすく説明できないかやってみます!

 レクチャーに続いて、「生活の台本」に入ります。生活行為の一つを細かく分解して書いてもらいます。それを台本として、ペアになって発表します。一人は自分の書いたものを声に出して読み、お相手はその内容を聞いた通り演じる、というワークです。前回はお茶をいれる、という場面でしたが、今回は「お風呂に入る」でした。

シャワーだったり、浴室に入るタイミングや頭を洗う順番が違ったりなど人によって違いが見えました。細かく書いてもらって、着替えを持ってきたり、入浴剤を入れたりとお風呂に入る前に必要な行為が多いことに気づきました。結構無意識にやっていることがあるものですね。そもそもお風呂を入れるところから始まりましたものね、確かにいつもお湯が入っているとは限りません。24時間風呂をつけているおうちだと違うのかな。

  最後は「人生のアンケート」。あなたの人生で一番楽しかった、忙しかった時期は?などのアンケートを書いてもらい、それをもとに台本を作ります。

自分たちが認知症のお年寄りになって、介護施設での面会の場面を演じます。介護関係の参加者さんの演技の自然なこと!舞台に出た経験のあるものとしては思わず対抗心を燃やしてしまいました()。対人援助職は演技が上手、という私の仮説は立証されました。思い出の人に呼び掛けるシーン、大学の友達だったり、昔の仕事仲間だったり、芝居の師匠だったり。参加者さんの人生の一コマが垣間見えて、思わずぐっときていました。このワークは岡山の団体オイボッケシさんのワークをもとに多少アレンジさせてもらっています。すごいワークだなとやってみて思いました。今回参加者さんが少なく、全員が自分が主役で作品を作れたのもよかったですね。人数多いと、グループで本人演じるのはその中の一人だけ、とかになってしまいますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間が余ったので、「話をきく」というワークを行いました。ステージの上で二人が椅子に座り、お題に沿ってただ話す、だけ。それを観客が見ている、ただのフリートークがなぜか演劇のように見えてくる、、、。今回は思いついたお題が「介護をはじめたきっかけ」でした。人生のアンケートの後だけに、語られた言葉が重みをもって聞こえました。これ、この会場ならでは、和室の畳スペースとは別に、一段高くなった板張りのコーナーがあり照明を当てることができたので、劇場のような雰囲気が出ていましたね。

 最後は皆さんで感想をシェア。居心地がいい、刺激になる、などの感想をもらいました。普通の演劇ワークショップにないものを体験できたとも言ってもらえたのが嬉しかったです。というか、参加者さんが素晴らしくクリエイティブで積極的で助けられましたね。ありがとうございます。今回、前回から続けて参加の方が2名!これはうれしい。またのご参加をお待ちしています。

 以上、駆け足のレポートでしたがいかがだったでしょうか。今回は初の会場で公民館の和室を使ったのですが、発表の際はスポットライト風に発表者を照らすこともできてワークに効果的でした。ここをホームグラウンドにしよう。

 

それではまた。次回は来年の22日(土)を予定しています。会場次第で日程変更になるかもしれませんが、その際はこのブログなどでお知らせしますね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 

プレ介護にかかわる人のための演劇ワークショップ レポート 

2018年9月1日。ついに、この日がきました。第0回、プレ 介護にかかわる人のための演劇ワークショップを開催することができました。

ご参加頂いたのは計6名、皆様本当にありがとうございました。演劇畑の方から、介護現場の専門職まで、年代も20代~70代と幅広く、とても参加者の方に恵まれたワークショップになりました。

会場は京王線下高井戸駅近くの、下高井戸インベント。普段は貸し会議室として使われるフリースペースですが、それを貸し切ってWSを行いました。床の木のぬくもりが気持ちよかったですね。今回の参加人数に対してちょうど良い広さだったのではないかな?階段しか使えないのが難点、、、。車椅子の方が来ることも想定していくと、違う会場も選択肢で入れていかないとな、と思っています。

このワークショップは進行役が二人います。介護畑、趣味が演劇の私土田と、演劇をメインの柱として活動している田澤恭平くんです。

            

この二人で介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、というプロジェクト名です。皆さん、今後ともどうぞご贔屓に。田澤くんにはワークショップアドバイザーの役割も果たしてもらいました。私がアイデアを出して、様々な視点からそれのブラッシュアップを提案してもらうというもの。ワークショップ進行役としては彼の方が経験豊富なので、アドバイスや提案を受けて、さあどうしていくか、、、?これによってだいぶ内容も変わりました。あまり打合せの機会はなかったのですが、少ない中でもこのやりとりは刺激的でした。余談ですが、ワークショップ全盛の今、今後こういうアドバイザーのお仕事が出てくるかも?

さて、当日行ったワークを振り返っていこうと思います。

まずはご挨拶。集まっていた皆さんで軽く輪になり、座って各自、足のマッサージをしながら進行役二人の自己紹介を始めました。ワークショップ全体の説明と、注意事項とをお話し。今思い出しましたが、一人ずつストレッチをして皆で同じのをやるストレッチ回し、をしようと思っていたのでした。これは次回やりたいですね。

さて、最初のワークは歩き回り。いわゆるウォーキング、というやつです。はじめに自分の立つ感覚を意識をしてもらい、「歩きたくなったら歩く、止まりたくなったら止まる」をお願いしました。これは難しい!とご意見をいただきました。そうか、最初から体に問いかけるのってハードル高いですよね。その次は止まりたくなったらものに触れて止まる。壁でも床でも。他の参加者に触れる人もいましたね。そして、呼吸に合わせて歩く。吐いてる時に歩く、止まったら吸う。自分の呼吸のリズムで歩く、というのをやりました。その次は脈拍歩き。自分の脈をとり、リズムを体に染み込ませて、そのリズムで歩く。以外と早歩きになることがわかりました。感想でもありましたが、それぞれの心臓の拍動が見える化されてて、端から見ている私は面白かったです。次に一人をターゲットに決めて、その人を視界に入れて歩くワーク。どんどん歩く輪が小さくなっていくという現象が起こりました。最後はスローモーション。スロー、の声かけで遅くなってもらい、ラストはこれ以上ない位遅いスピードで、ゆっくり止まって終了です。

最初のワークとしては、色々問題ある内容でしたが(緊張度が高かった、などの感想をもらいました)、前日この内容を思いついて、これだ!と。プロローグになるような、WS全体を象徴するウォーキング。呼吸、ふれる、見守り、が入っており、最後のスローモーションで老人になって最後鼓動が止まる。みたいな感じでイメージしたのでした。参加者さんに戸惑わせてしまう部分がありましたね。自分のテンションも低めだったので、次回は真逆に明るく振り切ってみようかな。終わったあと、感想を一人ずつ述べてもらい共有しました。色々な視点から言ってもらえて良かったです。このワークショップでは気づきの場にしてもらいたいという想いから、振り返りの機会をたくさんとっています。参加者さんとしてはどうだったのかな?言葉にならない、ってことも多いと思いますし、振り返りを入れるタイミングや時間が難しいことを発見しました。「歩きたくなったら歩く」、って難しい、歩く理由はないとのご意見もあり。確かに言葉や体に誠実に向き合おうとする方ほど、そうなるかもしれませんね。

次は田澤くんにバトンタッチして、氷をとかす。のワーク。いわゆるアイスブレイクタイム、ですが私が担当した他の静かめのワークと違い、コミュニケーションワークがギュっとつまってその対比も面白かったんじゃないかなと思います。全員で拍手やジャンプの音を合わせる、定番の拍手回しをやりました。輪になって、最近行った駅、食べたものを言っていく、というのもやりましたね。最後は輪になった状態で名前を呼び合い、場所を変えていくゲーム。二つの流れが入り始めた時は全体盛り上がりました。終わったあとの高揚感!あ、これこれ、と思いました。

気持ちが上がったところで、このWSでは再度落としていきます。。。呼吸する、のワークです。ワーク中にも言いましたが、勅使河原三郎さんというダンサーさんの呼吸ワークショップを参考にしています。最初に手を握る、開くに合わせて呼吸する。その手を腕、肩、と広げていき、最後は全身使っての呼吸をしました。これは私が時々実践していて、頭がすっきりする効果のあるワークです。ぜひ人目のつかないところでお試しを。次は呼吸の研究。鼻から吸う、吐く。口から吸う、吐く。単純に呼吸といっても4通りのルートがある。これを実践して試してもらいました。鼻の方がやりやすい、口の方がやりやすい、など意見が分かれて面白かったです。感想が真逆だったりして。私も鼻は吸いにくくて、たぶん口呼吸になってるんでしょうね。これ言わなかったことですが、ターミナル期のお年寄りは、口呼吸にどんどんなっていきます。鼻から吸うっていうのは色んな筋肉を使うみたいですね。インナーマッスルとかに関係しているのかな?できている人からしたら、鼻の方が楽なのかもしれませんが、全身の筋肉が衰えていくと口呼吸になっていく様です。

最後は呼吸のキャッチボール。ペアになってもらい、イメージのボールをキャッチボールする。呼吸に合わせて。スピードを変えたり、玉の大きさを変えたり。弓矢、紙飛行機、、色んなイメージが出てきてワクワクしましたね。

楽しかったという感想をもらいました。これが介護とどうつながるか、という話もありましたが、相手の世界観に合わせて、それに乗っかり、きちんと返答する、というのは認知症ケアの会話と共通するとも言えるかも?

お次は、ふれる。自分の体をふれる。その時に場所を口に出してから触れてもらいました。「肩。」→ふれる。「腕。」→ふれる。みたいに、丁寧に手の感触を味わって、心地よい触り方を試してもらいました。以前、世田谷パブリックシアター主催の「地域の物語ワークショップ」にて体験したワークをアレンジしました。もっと自由な触り方をしてもらっても良かったですね。

そのあと、ペアになって触れるをお互いに実験。あ、一人ずつお題を出してもらい、皆でふれるのを試すのはどうだろう。「やわらかく」とか、「カエルっぽく」とか。今度やってみましょう。振り返りをペアでやってもらったあとに、全体でシェアしてもらいました。やさしさが伝わる、という感想があり、技術だけではなく性格も反映されるのかもしれませんね。あと、最初の触る側だと緊張感が、、、という話もありました。

人のからだにふれるのは緊張感があるから、段階的にできるようなワークの組み立てが必要ですねー、要改善。

ここで5分ほど休憩をとってから生活の台本というワークに入ります。

その前に、認知症とは何か、定義をレクチャー。そして、お茶を入れる、という行動を分解して書いてもらいます。時間は10分。それをペアになって読みあい、一人は役者となって読まれた行動をジェスチャーで演じる、というワークでした。他のワークと違って、この生活の台本は我々のオリジナルです。果たしてどうなるのか?と不安もありましたが、いかがでしたでしょうか。同じお題にしても、人によって行動の違いがあって面白かったですね。生活の多様性というんでしょうか。お湯を沸かすのは、ポットのお湯かやかんから沸かすのか。お茶の葉はどこに置いてあるのか?各自の生活が垣間見えた気がしました。

おいてある場所を家族に聞く、という人もいました

 

 

 

 

お茶葉はなぜかみなさん高い位置に?

お湯を注ぐ時はポットから?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人ずつやって、今回は時間で終了となってしまいましたが、実は2回目もあるんですね。それはどこか好きなところで区切りを入れてもらい、台本のアナウンスはそこでストップする、というもの。その時、やり方がわからなくなる認知症の方の気持ちになってもらい、頭が真っ白になる状態を体験。そして困った状況を味わった後、演じる人はワンアクションしてもらう。誰かに助けを求める。怒って投げつける。現状のものでなんとか飲もうとする。など、一見へんてこりんな行動をしてしまうお年寄りの内面を体験してもらい、行動に理由があるのを体験できるワークと考えていました。次回、これもフルバージョンでやってみましょう。

最後は、受け入れる(認知症の人の気持ちになる)。円になりお題に沿った話題を話す。一人が認知症役の方で、渡された台本から、好きなセリフを好きなタイミングでハッスル、というもの。周囲の人はそれに対してどうリアクションするか。最初はネガティブに反応、後半はポジティブに受け入れる、バージョン違いで体験してもらいました。私の指示が分かりづらくて混乱を起こしてしまいましたね、反省、、、。さらに、ポジティブな反応の時に、認知症の人役の言動に対して、子ども扱いするような場面も見られて、受け入れる対応ってどういうことなんだろう?と疑問が生まれました。その原因は、私の説明の言葉選びも関係しているかもしれません。具体的に細かく説明しないで、ポジティブ、ネガティブのリアクションについては参加者さんに任せてもよかったですね。

このワークは、オイボッケシという団体のワークショップでやっていたワークをアレンジしました。介護と演劇のクロスオーバーをおそらく最初にやったところです。目標でもあり、ライバルでもある。いつかはこことの違いを打ち出していかないといけないと感じています。

これにてワークショップは終了。おひとりずつ感想を言ってもらいました。このときリアクションで私がコメントしていましたが、自分の意見の押しつけになっていたかも?これは振り返りで反省した部分ですね。職場で、リーダー職ということもあり、つい意見をまとめる、こういうことでしょうと口をはさんでしまう癖があるのかも?という気付きが生まれました。進行役として、コントロールして聞き役、調整役になれるか?という課題が見つかりました。

最後のしめ、皆で拍手一回でポン!でしめよう、と思っていたのも忘れていました。これは今後忘れず恒例にしていきたいですね。

色々課題の多い第0回、プレ回でしたが非常に有意義でした。何より素敵な参加者の方々と関われたのがすごく良かったです。当日皆さんへ伝えてませんでしたが、協力的、積極的な態度でいていただいたので、進行役として力をもらえました。また、率直な意見や気づきがとても響きました。参考にいたします。今後ともぜひご参加いただけると嬉しいです。

今回のびっくり!は最後の打ち上げに、参加者さん6名全員来ていただいたこと!これは想定外でした、半分残っていただいたら御の字だな、と思っていたのでこれはかなり嬉しかったです。今後も打ち上げに使おうと思っていますが、下高井戸と言えば、の名店たつみ、にてワークショップでは出来なかった色々な話ができました。

そしてアンケートを配ることを忘れていました!最初に配ろう。レポートは以上です。次回は11月上旬を計画しています。二か月に一回が目標です。詳細が決まりましたらこのブログでもお知らせします。それでは、次回ワークショップでお会いしましょう。

日常会話からの

日常会話式認知機能評価(CANDy)の使用マニュアルを読みました。
・日常会話の中から認知症の疑いのある方を見つけることを目的としたもの。
・30分以上の会話を想定
・項目が15あり「会話中に同じことを繰り返し質問してくる」など。0回なら0点、1、2回あれば1点、3回以上~頻繁なら3点、と基準が分かりやすい。
・項目ごとの会話例が載っていることが大きな特徴。

例、、、「会話の内容に広がりがない」なら、家族の話題について聞いてみましょうと指示。
「ご兄弟は何人ですか?」「9人で畑やっていた」「小さいころからお手伝いしていたんですか」「兄弟は9人でうちは畑をやってた」→質問を変えても同じ回答

他の認知症ケアのプログラムを使ったことがあるけど、スタッフにインタビューする記憶だよりだった。これなら、本人にその場で話しかけて評価することができる。

この評価システムが面白いのは、評価するために会話が必要で、コミュニケーションのきっかけになるということだ。いっぱい会話しないと点数つけられない。

評価のチェック項目が人によって受けとり方がちがっていたり、評価者との関係性が反映される可能性を排除できないという問題点はあるが。(嫌いな人なので早く会話を切り上げたいだけ、など)

試しに職場で評価してみよう。と思いました。使用マニュアルは登録必要ですが、ダウンロードフリーですよ。

認知症とは。

認知症の定義について書いてみたい。

認知症とは、①原因疾患があり②脳そのものが壊れ③一度獲得した知的能力が衰退し④起こる生活障害の総称である。

今日は認知症を結論部分から考えてみたい。認知症とは?一言でいうなら、「生活障害」である。

生活障害って言われると、脳梗塞で麻痺した身体もそう。足を怪我して松葉杖ついてることもそう。手の親指使えないと不便になるのもそう。
では、それらと、認知症の生活障害とはどこが違うのか。体は元気、でも脳が認知症だと、何が困るのか?

それは、人間の高次な脳機能、知的な能力が壊れてしまうことに関わってくる。今日がいつかわかる。ここがどこかわかる。目の前にいる知り合いが誰かわかる。道具の使い方がわかる。周りの状況から今はどう振る舞ったらいいかわかる。などなど、、、。

これらが、うまくいかなかったらどうなるか。きっと毎日困難を感じることはイメージできる。生活障害と言ってさしつかえないだろう。認知症になることは脳の高度な機能が発揮できなくなり、生活を送ることが困難になるのだ。

生活するってそんな複雑なことだったの?人間の脳はそんな複雑なことを難なくこなすことができていたんだ。

言い換えると、認知症を知るということは、生活を知るということであり、それを成り立たせる人間の奥深い知的能力を知ることである。
ただ、それを私たちは無意識に行っている。無自覚な能力だからこそ、気づきにくい。だから認知症の人が何で困ってるか分からないのだ。

記憶の海の釣り人

釣りざおをもって桟橋に出る。
視界一面は海。静かに波を打つ水面が見えるだけ。
小さい腰掛け椅子に座り、餌をつけず投げ入れる。

よっと、、、引っ掛かったぞ、よいしょ。

そうそう、キャベツだ。この、薄い緑色と白の混じった丸いもの。

よっと、、、。

ボールペン。

昨日の晩御飯。

日本。

卵焼き。

子どもの頃の夢。

不思議だな。こんだけ広い海なのに、どこに、何が沈んでるか何となくわかるんだ。あの辺りかな?って思って針を投げ入れると、ちゃんと引っ掛かかってくる。

なんとなく、昔のことは遠く、最近のことは近くにあることが多いけど、気のせいかもしれない。

いちど確認したら、すぐに海に戻す。キャッチ&リリースだ。もったいないって?平気だよ。いつだって好きなときに釣り上げることができるんだから。

さあ、今日も一日、棹をふる。

記憶の海にて

私たちは、普段忘れ続けている。
今で忘れてたのに、例えばそうだな、今いる場所は?と問いかけたら、世田谷区の、東京の。日本の。地球の、銀河系の。と、思い出す。そして次の瞬間また忘れる。まるで釣った魚を海に離すように。

そのことは、今意識するまで忘れていたのに、意識すれば思い出せる。そして、思い出せるということを私は知ってる。
だから安心してぼーっとできる。忘れ続けることができる。記憶の海にいつでもアクセスできることを知ってるから。

その、安心感を私たちは無意識に感じてる。認識してようがしてまいがそうなのだ。

もしそれを思い出せないとしたら、どんだけ不安なんだろうか。認知症と共に生きる方々が不安を訴えるのはその証明ではないだろうか。

私のなかに。あなたのなかに記憶の海は存在してる。