トイレ介助での非言語コミュニケーション技法

職場のデイサービスにて。失語症があり、中々言葉でコミュニケーション取れない方。 トイレに座るという行為もできにくくなっている。今日、トイレまで行ったがズボンはいたまま座ってしまう。言葉かけしても立っていただけない。そんなときはまず、左手をふれ、左側にあるトイレットペーパー台を掴むよう誘導する。そして、右手で握手し、肘を持ち。ゆっくり「じゃ、立ちましょうか」と言いながら軽く右手を引く。 と、自然に立ち上がってくださる。

「ズボン下ろしますね」といって、ズボンと下着を下げるわけですが、いきなりだと脱がされたと感じ怒り出す方もいます。なので膝上を手の小指側でトントンとタッチしながら「ココまで下げますね」と伝えるということをやってます。

そして、膝まで下ろした状態で再度座っていただく訳ですが今度は中々座ることが、伝わらず立ったままになってしまうことも。そういうときは「便座に座りましょう」と伝えながら鼠径部を軽く押してあげると座りやすくなります。座れない場合は後ろが見えなくて怖くて座れない場合もあるので、後ろをみてもらうように声かけしたり、片手で手すりをもってもらったり、しています。

身体機能は問題ないが、認知機能の低下により立つ・座るが上手く伝わらない、理解しにくい方への対応は介護現場では良く出てきます。 もし、難しい場合は、立ったままで目的を達せられないか手順を変えることも有効です。

先日は入浴時に、立ったままで椅子に座ってもらえなかったのですが、切り替えてその状態で服を着てもらいました。何かにつかまったまま、片足ずつ上げられる方だったので。状態を把握して、座らなくても目的が達せられるのであれば無理に座らせようとしなくても良いと割り切れるかどうかが重要ですね