記憶の海にて

私たちは、普段忘れ続けている。
今で忘れてたのに、例えばそうだな、今いる場所は?と問いかけたら、世田谷区の、東京の。日本の。地球の、銀河系の。と、思い出す。そして次の瞬間また忘れる。まるで釣った魚を海に離すように。

そのことは、今意識するまで忘れていたのに、意識すれば思い出せる。そして、思い出せるということを私は知ってる。
だから安心してぼーっとできる。忘れ続けることができる。記憶の海にいつでもアクセスできることを知ってるから。

その、安心感を私たちは無意識に感じてる。認識してようがしてまいがそうなのだ。

もしそれを思い出せないとしたら、どんだけ不安なんだろうか。認知症と共に生きる方々が不安を訴えるのはその証明ではないだろうか。

私のなかに。あなたのなかに記憶の海は存在してる。

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