~園芸と介護~デイサービスは新たな趣味との出会いの場

職場のデイサービスにて。パーキンソン病などで体の移動がゆっくりな方。家では寝てばかりなので、何か楽しみを、、というご家族の希望からデイの利用に。最初の頃は気難しい方で、レクや体操、お散歩にお誘いしても「いいです」と断られてしまう。そんな中、私は前職のデイ経験から、庭にプランターで野菜を育てていた。前の職場は園芸福祉を取り入れ、毎日アクティビティで野菜の収穫や種まきをしていたのだった。(私はそこで割と熱心に勉強し、NHKの今日の園芸を録画するまでになった)(笑)。

今の職場ではプランターでだが、ほそぼそと小松菜、人参、ほうれん草などをやりはじめていた。そうだ!と私は思いついた。園芸なら参加できるのではないか。プランター移動すれば室内で移動もせずすぐできるし。駄目元で水やりをお誘いすると、なんと「いいですよ」とお返事。小さめのジョウロで水やりをしてくださった。簡単そうな作業に見えて了承してくださったのだろうか。大根のときは、種まきからお手伝いお願いしてみた。すると、芽がでて、成長する様子を楽しみにされるようになった。

前の職場では皆でいっせいに「おおきくなれ」と種まき後にプランターに声をかけていた。私は内心、声には出さないだろうな、、、でもこの場に一緒にいて一体感を味わえるだけでも、と思い「じゃあ、一緒に大きくなあれ、と声をかけましょう」とお誘い。すると。「おおきくなれ、おおきくなれ、おおきくなれー」とその方が三回、続けて言ってくださった。びっくりした表情の私に、ふふ、、と笑うご利用者さん。 その後はその方と午前中の短時間、野菜や花の世話をするのが恒例になった。いい忘れていたが男性の方、園芸なんてやったことがなかったそう。

今は冬なので、収穫はないのだが種まきをして芽が出ると「出てきましたね」と興味深そうにしてくださる。園芸活動にお誘いすると、ほとんど参加してくださる。(もちろん今日はちょっと、、と言われるときもあり。)園芸という、生まれて初めてやることがその方の役割や楽しみになっているご様子。 園芸の持つ幅広さ、、、アレンジ次第で参加しやすいアクティビティになる可能性を感じる。また、この例のように、デイに来て新しい趣味が生まれることもある。介護の現場では、その方の生活歴を尊重して、以前やっていた趣味をできるように工夫することが多いのだが、新たな趣味や楽しみとの出会いの場としても機能するかもしれない。さしずめ介護職は出会いのコーディネーターか。

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