大丈夫

最近の私は失敗したり、忘れ物したり、が多い。落ち込んで自分を責めてしまうが、こんなときは、ああ、職場の認知症の入居者さんは、こんな気持ちでいるんだな、。と思うことにしてる。

すごく要領よくて、ミスがない人は、落ち込んだり、みじめな気持ちになる経験をしていないから、認知症のひとの気持ちが分からないかもしれない。

相手に共感できるために必要な経験ができて良かった。

帰ろかな

介護職の私。職場で認知症の方、帰りますとおっしゃることがよくある。

先日お聞きしたご家族の話。自宅にいても帰りますと言うんだそう。

実際にご実家が近くにあるのでそこに連れて行っても「ここじゃない」という。記憶の中にあるかやぶき屋根の家のことなので、現在の家に行っても違うと認識されるのだそう。

こういう話はよく聞くが、いつもせつないなあと思ってしまう。決して帰れない懐かしい暖かい我が家、、。

もし認知症の方に帰ります、と言われたらさてどうするか。
びっくりしたりあせって「ここがあなたのうちなのよ!」と説得しようとしても、きっとうまくいかない。余計頑なに主張されることだろう。

職場で私は、、「そうですか~帰るんですね~」と、笑顔でのんびりと答えることにしてる。その間、頭は高速で考えている、次の回答でどの方向にもっていくべきか、、、

①帰ることのできない事実を現実のまま伝えるか?
②相手の気持ちに寄り添う理由を作るか?
③帰りましょうと一緒に外に出てひとまわりするか?
④その他

その方法(引き出し)の優先順位をつけて、一番目がだめだったらこれをして、それでもだめならこうして、、、などを瞬時にシュミレーションをして、の一言。
「○○さん、今日はお迎えが来ますってさっき電話がありましたよ」(事実ではないけど、電話があると聞いたらひとまず納得されるんじゃないか、、短期記憶障害があるからこの話も忘れてもらえる可能性が高い)
「え、あらそうなの」(おっ、そんなはずないって怒らないぞ。これならお手伝いしてもらえそうだな)
「そうなんですよ~。待ってる間、私と一緒に料理してもらえませんか?」
「いいわよ」
(手を使う作業に集中したあとは帰宅のこと忘れてることが多いから、今回もそれでいこう)

みたいな感じで対応させていただいてますね。

書いてみて、対応の単なる方法論よりも、その対応を選択するにいたった思考プロセスの方が大事だということに気づきました。