2017年9月30日
老人ホームでうまれたとつとつダンス
ダンスのような、介護のような 砂利尾理
を読みました。
読書の感想。
・介護とダンスを並列にするなら、介護職の私からすれば
ダンスするように介護する だろうか
・この人は、越境する人だ。決まり事を壊し、ダンス相手のことを困惑させ、そこから生まれるものを求めている。この人こそ、コヨーテだ、トリックスターだ。
その原動力は昔から、自伝部分でも語られている閉塞感だ。
・待つことの大事さがくりかえし現れる。ダウン症の方どうしのダンスでずっと立ったままになったのを素晴らしいとほめる。
・この人は自画自賛の癖がある。子供のころからそうだとのこと。でもだからこそ、認知症の人や障碍者とのダンスに良さを見出すことができるのだろう。自分の欠点を見つけ高めることに意識を向ける人は、技術向上、高みを目指すダンスに向いてる。どっちがよい悪いではない、どっちが向いてるかどうか、だ。
・とつとつダンスというのは決まったかたちのダンスではなく、一つのアートプロジェクトの総称だと考えると分かりやすい。舞台の発表だけでなく、ホームでのワークショップ、哲学カフェなど領域を超えて行われる営みすべてを含む。
・日常で見捨てられるディスコミュニケーションに目を向ける。そこに価値を見出す。
・本屋で見つけて買った。すぐ買わなかったし、買ってもすぐに読み始めなかった。なんでだろう、こんなにヒットして自分のテーマにもリンクする本なのに。
それもタイミングがあるということか。僕自身、そして本自体が読まれる時期が来ることを待って いたのかもしれない。
・本文の中に出てくる本や筆者名。すべて読んだことがあったり、本で持っているものばかりだった。
・筆者がワークショップを行う老人ホームのスタッフについての批判が心に残る。
その笑顔、子供に話しかけるような話し方、なんとも言えない居心地の悪さを感じたということ。
居心地が悪い。それはあるんだよなー。それを見ないふりをして、介護職らしいスタッフとして演じているということか。
・最初に感じていたとまどい、を思い出させる。もっと戸惑っていればいいのか。笑顔じゃなくふれあってもいいのではないか。
・ダンス作品を作る際に、ペアを組む人と2年くらい、ずっと対話していたとのこと。ここが面白いなー、と思った。大学の生徒にも、どう思った?どう感じた?とずっと質問しているらしい(質問魔のじゃりおさん)
・一緒にダンスを作るというのはそういうことなのか。とすると、介護もダンスだとしたら。一緒に介護する人と、何が好き?どんな本を読んだ?と聞くことが必要ではないか・
・介護施設では、介護技術とかの研修はあるが感性を磨く場所がない。