第一回 介護にかかわる人のための演劇ワークショップ レポートです!

 はい、土田です。第一回介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、開催しました。

今回は参加者3名と少人数で、ぎゅうっと濃密なワークショップになりました。このワークショップは田澤恭平くんと私土田悠二人が主催の演劇ワークショップです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                           

以下レポートです。

最初のご挨拶、畳の会場なので、少し落ち着いた雰囲気が流れる気がしました。自己紹介と注意点をお伝えし、まずは「歩き回る」のワークです。前回はかなりマニアックな、、、自己に没入するような内容を中心にしていましたが、今回は、「いわゆる」ウォーキングといわれるワークをやってみました。会場を観察してもらい、目を閉じてあるものの位置を当てるゲーム。続いて、歩きながら他の参加者さんにアイコンタクト・ハイタッチ、挨拶を言うというコミュニケーション。肩タッチ、背中合わせ、膝タッチをやりました。まだ歩き回るは続きます、スタート・ストップ・ジャンプ・スローの指示で歩く。指示の入れ替えを行いました。誰も間違える人がいなかった!全然、間違えていいんですよ~。

 歩き回るの後半は一列に並ぶコミュニケーションワークをやりました。全然歩き回るじゃあないですね。まずはYESNOゲーム。部屋の一方をYES、反対側をNOと決めて、質問に合わせて一列に並ぶ。お酒は好きですか、介護の経験はありますか、演劇の経験はありますか、などのお題で並んでみました。演劇経験、子どもの頃の学芸会入れたら確かにみんなありますね。いくつかやっていく中で、今回の参加者さんの経歴がうっすらと見えてきます。次に、お題ごとに並ぶ、声には出さないで。身長順、体重順、誕生日順、手の大きさ順、指の温度のあったかさ順、でやりました。指を皆さんで触りあう光景が面白かったですね。

 もう一人の進行役、田澤恭平くんの「氷をとかす」のコーナーです。

「ミャンマー。」順繰りにミャンマーと言っていく、回数を一個ずつ増やしていく。噛んだりつっかえたらみんなで万歳ポーズして「失敗しちゃった!」というゲーム。単純だけど面白い。アンケートでも人気でした。

 

 

 

 

 

 まず、ミャンマーという魔法の言葉。繰り返せば繰り返すほど難しくなる。そして、このゲームのテーマは、「失敗を許容する」。わざと失敗したり、適当にやるのではなく、ちゃんとできるようにチャレンジする。でも失敗しちゃったら仕方がないよね、という気分を皆で共有するのです。私はこのワークから「注文をまちがえる料理店」というイベントを思い出してました。詳しくはコチラ。この企画、注文をまちがえるという失敗を目的にはしてないんですね。がんばってチャレンジして、それでも、失敗しちゃったときに「注文をまちがえる」が起こる。それを受け入れようよ、てへって笑いあえる関係を作ろうよ、というのがこの企画のポイントだと思います。成功を目指すことと、失敗を期待する、この兼ね合いが難しかったって、主催の方がネットの記事で書いていました。失敗しないようにがんばる、うまくやるという目的がある。でも失敗しちゃったことで起こることが、結果的には、面白くて楽しみになっているという、、、二重構造。ここでは、その象徴として「てへぺろ」って言ってました。今回やったミャンマー、も、間違ったら手を頭の後ろに当てて、舌をぺこちゃんみたいに出して「てへぺろ」っていうのも、アリかもしれません。そういう雰囲気が当然の社会になったら、認知症や何かの障害があっても生きやすいでしょうね。

 「魔法の杖があったら」というワーク。手をぐるんとまわして魔法をかけるポーズ、「魔法の杖があったーら」の掛け声のあと、なんでも好きな叶えたいことを言っていく、というルールです。「女性になってみたい」「仕事をやめたい」「空を飛びたい」など頭を柔らかくして発想がどんどん豊かになっていきました。私の願望は自分の仕事関係ばかりでしたね。

続けて、「ねえねえ」。誰かが「ねえねえ」と言ったら全員で「なーにー」と返事します。「○○しようよ」と言うのに合わせて「いいねえ」と返事。その場でみんなで演じます。サッカーしたり、筋トレしたり、休んだり、もちつきしたり、バンドで演奏したりしましたね。演劇ワークショップで一番好きなワークです。氷は十分すぎるくらいとけたんじゃないでしょうか。

 

 そして、「見守る」。ペアになっての暗闇ウォーク、一人が目をつむってもう一人は背中を押して誘導します。次に触らず声だけの指示で歩く。最後は大きな風船に入っているというイメージ、そのどこかに触れているようにして見守りながらついて歩くというワークをしました。この見守る、介護だけでなくて保育でも、障害者の方の介助も一緒のことですよね。今回は参加者さんが少なかったから難易度は低めだったかな?人数多めでまたやってみたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私たちのオリジナルワーク、「生活の台本」に入る前に「だゆうの介護講座」。認知症のことについてレクチャー形式で説明してみました。

 いやあ、講義するのって難しい。しどろもどろになってしまった。認知症の定義は説明できても、「認知症とアルツハイマー病の関係とは?」「アルツハイマー病って何ですか?」にうまく答えられなかったです。改めて説明してみます。認知症は生活に障害が起きる症状の総体です。例えるなら鼻水や頭痛といった症状と一緒。例えば、鼻水の原因は風邪という病気ですよね。それと同じで認知症の原因となる病気がたくさんあり、その一つとしてアルツハイマー病がある、という関係なんですね。アルツハイマー病の定義ですが、「認知症の原因疾患の中でも、最も多い病気。脳に特殊なタンパクが蓄積し、記憶を司る海馬を中心に、広範囲に委縮していく」と、レポートで書いてみました。(「ぜんぶわかる認知症の事典」 河野和彦監修 より)次回はもう少しわかりやすく説明できないかやってみます!

 レクチャーに続いて、「生活の台本」に入ります。生活行為の一つを細かく分解して書いてもらいます。それを台本として、ペアになって発表します。一人は自分の書いたものを声に出して読み、お相手はその内容を聞いた通り演じる、というワークです。前回はお茶をいれる、という場面でしたが、今回は「お風呂に入る」でした。

シャワーだったり、浴室に入るタイミングや頭を洗う順番が違ったりなど人によって違いが見えました。細かく書いてもらって、着替えを持ってきたり、入浴剤を入れたりとお風呂に入る前に必要な行為が多いことに気づきました。結構無意識にやっていることがあるものですね。そもそもお風呂を入れるところから始まりましたものね、確かにいつもお湯が入っているとは限りません。24時間風呂をつけているおうちだと違うのかな。

  最後は「人生のアンケート」。あなたの人生で一番楽しかった、忙しかった時期は?などのアンケートを書いてもらい、それをもとに台本を作ります。

自分たちが認知症のお年寄りになって、介護施設での面会の場面を演じます。介護関係の参加者さんの演技の自然なこと!舞台に出た経験のあるものとしては思わず対抗心を燃やしてしまいました()。対人援助職は演技が上手、という私の仮説は立証されました。思い出の人に呼び掛けるシーン、大学の友達だったり、昔の仕事仲間だったり、芝居の師匠だったり。参加者さんの人生の一コマが垣間見えて、思わずぐっときていました。このワークは岡山の団体オイボッケシさんのワークをもとに多少アレンジさせてもらっています。すごいワークだなとやってみて思いました。今回参加者さんが少なく、全員が自分が主役で作品を作れたのもよかったですね。人数多いと、グループで本人演じるのはその中の一人だけ、とかになってしまいますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間が余ったので、「話をきく」というワークを行いました。ステージの上で二人が椅子に座り、お題に沿ってただ話す、だけ。それを観客が見ている、ただのフリートークがなぜか演劇のように見えてくる、、、。今回は思いついたお題が「介護をはじめたきっかけ」でした。人生のアンケートの後だけに、語られた言葉が重みをもって聞こえました。これ、この会場ならでは、和室の畳スペースとは別に、一段高くなった板張りのコーナーがあり照明を当てることができたので、劇場のような雰囲気が出ていましたね。

 最後は皆さんで感想をシェア。居心地がいい、刺激になる、などの感想をもらいました。普通の演劇ワークショップにないものを体験できたとも言ってもらえたのが嬉しかったです。というか、参加者さんが素晴らしくクリエイティブで積極的で助けられましたね。ありがとうございます。今回、前回から続けて参加の方が2名!これはうれしい。またのご参加をお待ちしています。

 以上、駆け足のレポートでしたがいかがだったでしょうか。今回は初の会場で公民館の和室を使ったのですが、発表の際はスポットライト風に発表者を照らすこともできてワークに効果的でした。ここをホームグラウンドにしよう。

 

それではまた。次回は来年の22日(土)を予定しています。会場次第で日程変更になるかもしれませんが、その際はこのブログなどでお知らせしますね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 

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