今日は60代男性のご利用者さん、認知症ではあるが高次脳機能障害近く失行、失認多い方(トイレのやり方が分からない、服を着替えたがらないなど)の、入浴介助予定、、! 最初は正攻法で声かけしよう。さて、どうなるか? (数ヶ月前に一度チャレンジしたが、お誘いしたところ服を脱ぐ段階で怒ってしまった)
今回、準備で私は水着を着ていた。 そして、その方がポロシャツか前開きシャツかどちらでもいいように2種類持参していた。 言葉で論理的に説明しても、理解難しい方。動作の声かけも伝わりにくい。それなら服を脱ぐ際に、私も一緒に同じ動作をすればいいと考えた。 今日は前開きでした。
午前中、甘いもの好きな方なのでジュースを提供し「今日は暑いからシャワーで汗を流しましょう」と声かけ。少し笑顔見える。じゃあ、行きましょうかとジェスチャーで促し、浴室ではなくそのまま脱衣所の椅子までお連れする。 (脱衣所から浴室までの移動で拒否がでる可能性があったため)
椅子に座ったら、お風呂のお湯(熱くて怒る可能性を、考えぬるめ38℃に設定)を桶にすくい「あったかいですよ」と声かけ、手をお湯に入れてもらう。拒否はなし。さあ服を脱いでいくぞ。 「シャワーで汗を流しましょう。じゃあ、私も一緒に脱ぎますね」そういって前開きシャツのボタンを外すのを見せる。ご自分でやっていただけないので「じゃあボタン私が外しますね」と伝え、ボタンを外す。嫌がらず脱いでいただける。肌着も同様にする。表情は無表情だがお怒りになる様子はない。 ここで、用意していた温タオルを渡し顔や体を拭いてもらう。
気持ちいいですか、に頷く様子あり。 スリッパ、靴下を私から脱ぐのを見せ、同じように脱いでもらう。じゃあ立ちましょうと声かけ。私、ズボンを脱ぐ。海パン一丁の姿に。ズボンも脱がせてもらう、少し戸惑い様子あり。バスタオルで見えないようにまいて、リハパンも脱がさせてもらう。
衣類脱いでもらえた!ここまででも驚きの成果。ぬるめに出していたシャワーで足元かける。私も腕や足にかける様子を見せながら、熱くないかを聞きながら体にお湯をかけていく。嫌がる様子はなし。泡つけたタオルを渡して声かけするも洗ってもらえず「じゃあ私お手伝いしますね」と腕から背中と洗わせてもらう。お湯をかけて流すも、笑顔はなく戸惑い表情のみ。洗髪も考えていたが今日は難しいと判断し、次回に持ち越し。 ご自宅では浴槽から出られなくなったため、シャワー浴しかできてない状況。 浴槽示し「お風呂に入りましょう」動かれず。私、海パン姿で浴槽につかる動作を見せる。
浴槽に立ち、「ここの手すり持って入りましょう」と声かけ。立ち上がり、浴槽に入って下さった!しゃがみポーズのまま動かず。声かけで足を伸ばしてもらう。しっかりお湯につかることができた!ただ相変わらず表情は無表情、戸惑い様子で気持ち良さげな様子はない。 熱さを聞くも返答はなし。
5分位つかったので、そろそろ出ましょうかと声かけ。足を引いてもらい、手すりをしめすとスムーズに立ち上がり、浴槽から出ることなんなくできた。 そのまま脱衣所へ行き、タオルで体を拭く。ご自分では拭いてもらえず私の方で介助。衣類を来てもらい、リビングへ。 同僚達が心配そうに視線を送ってくるのでお風呂に入れたこと伝えると驚きの表情。 ご利用さんに冷たいお茶を提供。ずっと表情無表情だったので、好きなゴルフ雑誌をお見せし話しかけを続けると笑顔見える。良かった、、! お風呂で嫌な気持ちにならないように笑って終えるようにしたかったため。
振り返ると、言語の理解が難しい方なので言葉の説明をするよりも、一動作ごとに視覚に見せる、論理より快の感覚を優先する、をやっていた。 ご自宅入浴時、ご家族に怒ってしまい、怒鳴ることも多々あるとのこと。 表情に笑顔はなかったがお怒りにならず浴槽まで入れたのは大きな一歩だと思われる。
(1週間後、、、)本日は2回目のお風呂。今日は前回できなかった洗髪をさせてもらえることを目標にイメージ。 こちらが服を脱いで、一緒に脱衣するまではスムーズ。体も洗い終わったタイミングで 「ちょっと泡が頭についちゃったので、流しましょう」と声かけ。 ここでシャワーすると目が開いたままで不快感ありそう。
そこで 「手でお顔濡れないようにしましょう」 とその方の両手を顔洗う時の形にして、お顔の前に持っていった。 手のひらを顔につけて、目を瞑って下さる。 そこで、シャワーを後頭部からかけながら前の方へ。様子うかがうと、目を瞑ったままで拒否の様子なし。 全体濡らしてから「シャンプーしましょう。そのまま目をつむってて下さい」と伝え、シャンプーで髪を洗う。嫌がる様子なし、シャワーで流して用意していたフェイスタオルを渡し顔を拭いてもらう。 「さっぱりして男前になりましたね」と言うと、フフフと笑って下さる。
無事に洗髪終了、良かった。 わたしは緊張もあり汗だく笑。 その後のタオルドライ、ドライヤーも嫌がることなく気持ちよさそうなご様子だった。 シャンプーする際に、いかに目を瞑ってもらえるか? それを声かけでは理解いただけないので顔を手のひらで覆うという動作でフォローした作戦でした。