生活の台本ワークショップ第一回 レポートです!

こんにちは、土田です。年末の慌ただしさや色々なニュースに心が落ち着かない日々ですね。ただいま12月20日(月)の早朝、近所のファミリーマートのイートインコーナーでこれを書いています。ワークショップのレポートを書こうと思いつつ、職場や所属劇団のアレコレで日にちが立ってしまいました。でも、落ち着かない中では書きたくないな、、、となんとなく感じていたのですね、これは先日のワークショップが、自分にとって大切な経験だったからだと思います。

さて、レポートの内容に入っていきましょう。12月11日(土)10:00~11:30、生活の台本ワークショップを開催しました。これは私が主催していた「介護にかかわる人のための演劇ワークショップ」で行っていたオリジナルワーク、「生活の台本」をメインに据えて構成したものです。今回、オンライン開催でビデオ通話アプリZOOMを使用しました。オンラインでワークショップをするのは今回初めてです。企画した頃は新型コロナもだいぶ下火になっていた頃で、今後はリアルで開催かな、なんて考えていましたが 、、、。新変異株が出てきたこともあり、オンライン開催は今後も継続になりそうです。

アシスタントは田澤恭平くんにお願いしました。「介護にかかわる、、、」では共同主催だった彼はZOOMの達人。技術的な面でだいぶサポートしてもらいました。田澤くんがいなかったら今回ワークショップは成り立たなかったです。そして、今回の参加者は3名。過去のリピーターの方と初参加の方!ご参加、本当にありがたい限り。演劇に関わりが深い方が多かったです。さらに参加機材がスマホ、タブレットそれぞれで、ZOOMって操作方法も機材ごとに変わるんですね。オンライン会議の奥深さ!?を感じました。ZOOM、もっと勉強しようと思います。

9:45に開場、少しずつ参加者さんがいらっしゃいます。今回のワークショップの目標は、「ようこそ」とウェルカムな気持ちをこめて言う、でした。オンラインだと緊張するので、そこだけはしっかりしたかったんですよ。10:00にスタート。挨拶、自己紹介をしてワークショップの簡単な説明を行います。そして、ワークショップのお願い事を3点。「画面共有します」と言いながらアナログ手書きの用紙をお見せします。そして参加者さんの自己紹介。①今回呼ばれたい名前、②本日の調子や皆さんに伝えたいことなど何か一言。皆さん、少し緊張しているご様子!?

最初は導入・ウォーミングアップから。まず、名前の表示を呼ばれたい名前に変更して、その後ろに状況を書いてもらいます。「土田@自宅」みたいな感じです。これも接続機材によって操作が違ったりして、もっとうまくお伝えできると良かったな。

「リアルだと歩きまわりながら握手して挨拶したりしますね、オンラインでも握手していきましょう」と「オンライン握手」のワークへ。私がお一人を指名して、お名前を呼びます。「はい」とお返事いただいたら「宜しくお願いします」と手を伸ばして握手のジェスチャーをします。握手した相手は、次の相手を指名して同じことを繰り返していきます。手の角度や位置がちょうどいい位置に来ると実際握手してるように見えて面白かったです。そういえばある介護の研修会で講師が生徒全員とのエア握手をやっていたのを思い出しました。エア握手は感染症対策にいい感じかもしれません。最後は全員で両手をクロスして、輪になっての握手をイメージして終わりです。

そして、どんな人が参加しているための質問コーナー。これは、ZOOMのチャット機能を使います。「好きな食べ物」や、「好きな役者」を聞いたりしました。佐野史郎さん等のお名前が出ていましたね。ジョン・ローンという役者さんは知らなかった、チェックしてみよう。

他の参加者さんと馴染んてきたところで肩のストレッチへ。オンラインは身体が普通と違う疲れが出ます。前もってほぐしておきましょう。肩の上げ下げしたあと、肩を両手で触って肘をぐるんと回すのを3回。そうしたら、「画面の四隅」というワークへ。右手の指を右上の画面の角に当てます。そこからオンラインの画面の端をなぞって一周します。これ、私が過去にやって苦戦して面白かったワークです。とにかく「何で真っ直ぐいかないの?!」と自然と笑顔になります。左手の指先もやったあとは、手のひらを広げて横に動かしていきましょう。画面の汚れをキレイにするイメージです。終わったあとはなんだか皆さんの顔色も良くなった気がするのが不思議です。

さあ、ここまでがウォーミングアップ。ここから本題の「生活の台本」ワークに入っていきます。最初に簡単なレクチャー。「認知症とは何か?」の定義を紹介します。結論から言うと、認知症とは「暮らしの障害」、イコール生活障害。では「生活とはなにか?」これをみんなで考えていこう、というのがこのワークショップです。ここで、ZOOMの投票機能を使い、簡単なアンケートを取りました。介護の経験があるか、認知症の方と関わったことがあるか?などをお聞きしました。

ここで、生活の台本ワークのお題の発表です。今回のお題は、、、「歯みがきをする」!これを分解していきましょう。5分の時間内に、用意していただいた紙に書き出してもらいます。例えば1,洗面台の前に立つ、2,歯ブラシを手に取る、、といった感じです。次にこちらで指名したペアになってブレイクアウトルームへ。まずは一分で「読む人」「演じる人」を決めてもらいます。1分たち、メイン画面に戻ってきたら、誰が読む人で演じる人か確認。再度同じペアで、今度は5分、ブレイクアウトルームへ行きます。ここはお互いに書いたものを読み上げて、お互いの内容をシェアしてもらう時間です。感想を言い合ったり、相手が読んだ行為を実際に動いてみたり。ここで、お互いに質問しあってもらうでも良かったな。置き場は?とか歯ブラシの色は?など、よくわからなかった部分を質問をし合うと面白いかもしれません。

5分のシェア時間が終わったところでいよいよ発表です。今回は2チームということもあり、代表者でZOOMじゃんけんをしてもらいました。勝った方が先行後攻を決めてもらいます。発表は、「読む人」が自分の書いたものを読む。「演じる人」は読まれた行為を実際に演じてもらう。「演じる人」はZOOMのスポットライト機能で画面にアップされていて、読む人の声に従って、画面の中で演じてもらうわけです。そして終わったら交代。を行いました。

いやあ、、、面白かった!実は個人的には「地味なワークだし、淡々と終わるかな?」なんて考えていましたが正反対でした。以前もこのワークで結構笑いも起きていたことを思い出しました。最初のペア「読む人」役の「ここにモンダミンがあって、、、」の言葉でまず爆笑。固有名詞が出てくるととたんにイメージが湧いてきます。そのペアの方、「まずコップの汚れを確認する」というのもその方の個性が出てますね。他にも、何でそんなところに?!という置き場だったり、スマホを見ながら歯を磨くなんて話が出てきたり。いやあ、豊かな時間でした。「生活」って本当に一人ひとり違うことを実感。無理に面白いことしなくても、何より面白いのはその違いなんですね。自分では普通のこと、当たり前のことが他の人にとっては面白かったり興味深かったりする、ということに気づきました。参加者さんの分解の仕方は2タイプに分かれていました。歯を磨く行為そのものを細かく分解して書くタイプと、歯磨き自体はサラッと書いて、その前後の準備や片付けに詳しく書くタイプ。私も自分で書いてみたのですが、行為としての歯磨きを分解する前者のタイプでした。準備や片付け、磨いている状況など、意識していなかった部分がたくさんあることに気づきました。今回の参加者さんように、「自分の、普段やっている様子」や「どんな場所でやっているか」なんかがイメージとすごく面白くなるんですね。だから、台本のト書き風じゃなくて、「この洗面所はすごく狭くて、、」とか「この左側にお風呂があって、、」とか、「鏡はこのぐらいの大きさで、、、」など、語りで解説が入るといいかもしれない。語り方も楽しめるように検討してみましょう。

最後は、生活の台本ワークの振り返りをして、終了です。「いろんなことを同時にしかも考えずにやってることに気づいた」「相手の書いたものを演じるから、細かく書いてもらうとやりやすかった」「普段と違う他人の動きをやるのが面白い」、「生活と演劇がつながった」などの感想をいただきました。

以上でワークショップ振り返りレポートは終了です。ワークショップ後、良い時間を過ごせた余韻が数日続いていました。ご参加いただいた皆さん、アシスタントの田澤くん、関心寄せてくださった方、皆さんに感謝します。次回の日程は決まっていないですが、またタイミングを見てやりたいですね。今後は自分のペースでゆっくり進んでいきます。開催の際はまたこのブログ等でお知らせいたします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

12月に「生活の台本ワークショップ」開催します!

久しぶりに個人企画のワークショップを開催します。

「生活の台本ワークショップ」
介護の本質を体験することで毎日の介護がかわる。
演劇の要素を用いて、生活行為の分解を体験し、参加者同士で共有します。介護とは何か、生活とは何かを考えられる体験ができます。演劇経験なくても大丈夫です。

日時:2021年12月11日(土)
   10:00~11:30
場所:オンライン上のビデオ会議ツール
対象:介護・演劇に興味ある方ならどなたでもZOOMにて開催
参加希望の方は後日リンクをお知らせします。参加費:無料
募集人数:8名
申し込み締め切り日:12月9日(木)
申し込み先:info@tsuchidayu.com
(お名前、メールアドレス等連絡先をご記入ください)
または土田まで参加希望と直接メッセージ送っていただいてもOKで

インプロがひらく〈老い〉の創造性 を読む。

インプロがひらく〈老い〉の創造性 くるる即興劇団の実践 園部友里恵著 を読む。気になった部分を抜き出し&コメント。これは専門書100冊チャレンジの三冊目です。

第一章

・著者の高齢者演劇に関する調査によるとシニア演劇の主体は健康な高齢者。

・サンフランシスコの演劇カンパニー「BATS Improv」バーバラ・スコットさん。高齢者対象のインプロWSを行っている。

・理解を確実にするため、ほんの少しだけゆっくり進めたり、多めに繰り返したりする。高齢者扱いされたくないという気持ちにも配慮する。

・「ゆっくり」と「繰り返し」。一回のクラス90分の中で扱うゲームは多くても2,3種類。同じゲームを小グループのメンバーを入れ替えながら何度も繰り返していく。

・身体の状態に常に注意を払う。

・バーバラさんのクラス。「疲れたら座ってもいい」という声かけしていないのに、参加者が自分の状態にあわせて参加の仕方を変えていた。すぐ座れる位置に椅子が配置。

・介護施設でのインプロ見学。・Mindy Cresonさん

インプロを用いた認知症メモリーケアの実践。「むかしむかし、、、」「毎日毎日、、、」「ところがある日、、、」その後に文章を付け加えて一つの物語を完成させるもの。つなげる順番は決まっていない。

・一文付け加えるたびに、最初のむかしむかしに戻って何度何度もも読み上げるのが特徴的。最後に「この物語の教訓は、、、」で終わる。次の物語にいくのではなく、今作った話を深める方向にいく。出てきた犬の名前は?どんな大きさ?目の色は?鳴き声は?海の色は?と五感を使った質問をする。

・何を言ってもアイデアとして受け入れられる。何も発言しない人もいる。

・ファシリテーターが、そこで生まれた物語をとても大切に扱っていると感じた。

・ミンディさんの、脳梗塞による半身不随と失語症の劇団員に対してのアドバイス。「彼を中心にすること」

第2章

・「インプロ体験を通じて、日常のコミュニケーションを振り返る」、が当初のインプロ講座の目的

・くるる即興劇団、稽古は月2回、一回90分~120分ほど地域の会議室や研修室にて。稽古の内容はカリキュラム決められておらず即興的に決める。年に2回、公演を行う。公演場所は稽古と同じ場所。上演時間も稽古と同じ平日昼間、90分~120分。

→こういうやり方もあるんだ!舞台に立つことをフラットに行ってみよう。

・当日まで役がふられていず、どんな物語かわからない。その日誰が出演するか自体分からない(!)当日体調不良で欠席したりしても大丈夫。、、、なるほど!!高齢者劇団に合ってる形式なのだ

・公演後のインタビュー調査で、自分が出すぎてうしろめたいという語りが出る。

→演劇公演を研究として、出演者・スタッフにインタビュー調査していくのどうだろう?

そこで何がどのように受容されていったか、を共有できると面白いのでは。

・席を円にして舞台と客席を分けず見せ合う。ルールから外れた人がいたら「新しいゲームが生まれた!」という。

・舞台上ではアイデアが出てこないのに、客席にいるとふってくる。

・一般にフリーシーンはハードルが高いが、高齢者インプロではそれが逆転する。ルールの理解が苦手なひとにとっては、ルールのあるゲームはハードルが高く、フリーシーンはむしろ取り組みやすくなる。

・稽古のウォーミングアップの進行役を劇団員にまかせる。今までやったこと、テレビで見たりしたことでもよい。条件は「みんなができそうなもの」。

・著者が妊娠・出産で欠席。ファシリテーターがいなくなった時、新たな関係性が生まれる。

・インプロでは、失敗が受容される。(まともにいかない・詰まったり・調子のはずれたことを言う人のほうが面白い)舞台にたつことを強要されない。関係の深さを問わず誰の隣にでも座ることができる

第3章

・ジブリッシュカード。小さな画用紙にでたらめにひらがなを書いてもらう。でたらめな言葉カードを持ち、セリフとして使って会話することで、シーンを作る練習をする。

→でたらめセリフを作るワークとして、できそう、、?ひらがなポーカーのカードがあるので、それを一枚ずつ引いてもらい、口に出す→カードに書く。進行役が話しかけるがその人はそのカードの言葉でしか話しちゃいけないルール。

・間違った発言から生まれたゲーム。両肩を上げて下げる時に「ストン」と言う。次に皆で息を揃えて「ストン」と言ってみる。

・骨折してるから出演「できない」→インプロでは骨折してるから「できる」シーンがある

・仮面演劇で「年寄りだからできるような動きがあった」

・仮面をつけて言葉がでなくなる状態はどこか老いと似ている面がある。1どんどん自由になる。2どんどん制約がふえていく。

第4章

・スポンテーニアスな状態:意識的に生み出すのではなく何かが自然に生まれてくること。

・ジョンストンの本「インプロ」。6歳の子どもに質問してアイデアを引き出したり、9歳の子どもとワンワード(複数名で少しずつことばを足して文をつないでいく)物語を共同で作り上げる様子が描かれる。→専門書認定。買おう。

・顔作りゲーム。人数分のA4用紙を配る。紙には直径10センチの円が一つ印刷されている。グループで順に線を足しながら、その顔を完成させていくというゲーム。変顔にする、誰が描いたか分からないようになる。

・脳梗塞の劇団員トシちゃんのエピソードの章。トシちゃんの言動が引き起こす笑いは、本人が意図しているのかわからないコミュニケーションのズレから生じる。これを笑っていいのか問題について考えさせられた。本人を傷つけてしまうのではないかという危惧。好意的な笑いとバカにする笑いとどう違うのか。

・稽古場に来れなくなった人のために自宅に訪問して出張稽古を行う。これすごくいいなあ。来れなくなったら終わりでなく、続けるための方策がある。これを思いつけるのがすごい。自宅で、奥さんが障害のある夫の役を演じて車椅子に座る。現実と虚構の境目がとけていく。オイボッケシの作品を思い出した。

・福笑い絵本で自由に顔を作る。その顔をまねするワーク。

第5章

・あらかじめできそうなゲームを選択することは、はたして良いことなのか。

・平日午前中という時間帯の設定で高齢者、しかも70代後半から80代の方が申し込んだ。→「平日昼間」は何かこういう場のニーズがあるんじゃないか。デイサービスではなく。

・「できない」状態であっても関われる学習コミュニティを作りたい

・認知症予防の活動は、できない人の不安をより煽るのではないか。

・呆けへの抵抗に違和感を感じる著者。だが「呆けの面白さ・豊かさがあるから呆けてもいいじゃないですか」というのは何か違うと感じている。高齢者同士の関係ならいいが、そうではない自分(筆者)がいうのは無責任だという。

・インプロを学ぶ時だけでも「迷惑をかけあえる」関係や、自分が「迷惑」だと思っていることが「迷惑でなくなる」コミュニティにしたい。

・呆けがもたらす表現も、呆けへの抵抗も、どちらも高齢者だからこそできる表現。

・「できない」と思っていた人も、自身の問いかけ次第で「できるひと」にもなりうる

・とっぴな答えを一つのアイデアとして受容する。

→その場にそぐわない言葉が出て困った時、「それ、いいアイデアですねえ!」とまず言ってみる。その後どうつなぐかは、、、それこそ即興(笑)

・この本の結論:インプロは高齢者の老いのイメージを「一部」ポジティブに変容させる。

・インプロが支配―被支配の関係にならない理由の一つが「その場限りである」こと。継続して上達していくを実感・確認できる機会もないことが、高齢者にとって上手い下手などの上下関係などにならない、フラットな関係を生み出せる。

・コロナで生まれたハガキで即興!ハガキにお題を書き、それに答えを書いてもらい、お便りとして共有するというもの。

→お便り出したら、読まれることって嬉しいんじゃないか。疑似ラジオをやるとか。高齢者の方で、聞けるラジオの方法ってどんなのがあるかな。

・老いを迷惑をかけることと思う祖母に「迷惑と思うかもしれないけれど関われるから楽しさが生まれる」→そうだよね、迷惑かける状況じゃないと「関わり」まで至らない。

→本全体で、認知症という言葉ではなく呆け、を使っている。三好春樹さんの考え方を用いているのだろうか。

→失敗することが捉え方によって価値をもったりすること。「注文をまちがえる料理店」のプロジェクトとも通じる。 →研究の事業なので、インプロで活動を行うだけでなく、インタビュー調査が行われ、その聞き書きも載せられている。単なるワークではなく、聞き書きがあることが重要なポイントだと思う。実際に参加してる方々の内面やゆらぎは、ワークショップ後の簡単なアンケートではすくい

過去のワークショップレポートです。

今までに行ってきたワークショップレポートはこちらです。見たい回の文字をクリックしてください。

第六回までを第一シーズンとします(笑)。第二シーズンにご期待下さい。

プレ回 フリースペース会場をお借りして開催したプレ回。

第一回 記念すべき第一回にして、ホームグラウンドである松沢区民集会所が初使用の回。

第二回 少人数ながらも新ワークをチャレンジしていました。

第三回 感情設計という手法を用いてワークショップをデザインした回。少しコーチングより?

第四回 いつもの和室ではなく体育室を使用。写真がさわやか。

第五回 演劇要素多めの田澤くん回。

第六回 第一シーズン最後になった回。リンゴトークが初お目見え。

第二シーズン「生活の台本ワークショップ」

第一回 タイトルや内容も変更して始まった第二シーズン。初のZoom開催となりました。

宜しければぜひご覧ください。どれもボリューム多めです。

ワークショップについて

介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、土田です。

前回11月からはや二か月たとうとしています。早かった、、、。

次回のワークショップの予定は決まっておりません。私の感覚として、もっと色々なことを吸収したい!と今年はワークショップを受ける方に回ってインプットしていきたいと思います。

今、参加しているのはダンスパフォーマンス、来月からはインタビューのワークショップに参加予定です。どちらも話を聞いて、場を開く。何かを作り上げる。みたいなことが共通しています。私の関心もそちらにあるのかもしれません。

やはり自分から動くと色々な出会いがありますね。そして世にはすごい人がたくさんいることを実感します。

また、自分発の企画を動かすことが決まりましたらブログなどでお知らせします。それではまた。

第六回ワークショップのレポートです!

おまたせしました、第六回の介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、レポートです。このワークショップは、2019年11月30日の土曜日に開催しました。私が風邪をひいてしまい、公開まで遅くなってしまいました。皆さまも体調にはお気をつけください。

さて、この日は参加者さんも少し遅れての参加が多く、ゆるゆると始めていく感じになりました。

セットリストはこちらです。

1、挨拶、ストレッチ

2、ウォーキング

3、身体起こし

4、リンゴトーク

5、田澤君コーナー

6、人生のアンケート

では最初から振り返ってみます。この日はご挨拶のあと、最初ストレッチから始めました。そしてウォーキング。部屋の中を歩き回り、興味のあるものにタッチしていきます。いつもは目をつむって部屋のものを当てる、をやるのですが今回は目を開けたままで、お題のものを探してもらいました。「やわらかいもの」「赤いもの」「頭に『か』がつくもの」「『た』がつくもの」。もちろん人でもOKなので、もう一人の進行役を務める田澤くんを指してもOKですよ。

そのあとは参加者さん同士で挨拶、ハイタッチ、ウインクなど。ゆっくり歩き、早歩きをしていて、ゆっくりハイタッチなどもやりましたね。人数が少ないとすぐ回ってくるから忙しい。このセクションの最後は、身体おこし。二人ペアになってもらい、一人は寝っ転がりゆっくり起き上がってもらいます。関節の音や衣擦れがしたら最初から、というルール。最後の瞬間まで気が抜けません。ゆっくりの指示をしていませんが、結果的にゆっくり動きになるというワーク。また、起き上がりの動作を深く見つめることにもつながりそうです。ワーク中、靜かになり部屋の時計の音が聞こえる位の静寂と緊張感でした。

少し休憩を取った後は、皆さんで円になり自己紹介タイム。リンゴを手に持って一言話して、次の人に回してもらいます。お題は最近行った地名、赤い物の単語、明日以降に行く予定の地名などなど。時間を空けて赤いもののお題で出た単語を思い出して言う、をやりました。本編では話しませんでしたが、これって、様々な種類の記憶を使っているんですね。エピソード記憶、展望記憶、意味記憶、ワーキングメモリ(短期記憶)、、、。皆さん、まだ認知症ではありませんね。あっ、これって新しい認知症チェックの方法になるんじゃないかしら。

そしてリンゴトーク本番です。お題は「介護と私」「演劇と私」リンゴを持った人が話す、否定や無視はしないというルール。時間を制限しないで話してもらいましたが深い話がたくさん聞けました。常連の参加者さんや進行役同士でも知らないことが出てきたりして、とても新鮮な時間でした。中央にもう一つリンゴを置いて、質問したくなったらそれを取ってから話す、にしてみたのも面白かったですね。

さて、休憩後は進行役をチェンジして田澤君コーナー。二人ペアになり、今回は6名で3チーム、A、B、Cチームに分かれます。各ペアとも、80代位のお年寄り二人が同窓会で会って会話するという設定です。まず最初のAチームが思い出話をします。二人の関係は各ペアにおまかせ。高校の同級生や、同じ劇団仲間だったという設定が出ました。その語られる内容も、「そういえばこんなことがあったね、、」と即興的に考えて話していきます。次のBチームは、その思い出話の内容を、実際に演じます。高校の同級生だったら、その当時の架空の思い出話を、高校生になって演じるわけですね。2分程度の会話を交互に繰り返していきます。(A→B→A→B→Aの順番。)これを3チームで順繰りに回していきます。どんな思い出話がでるか、戦々恐々!?また演じるチームの時に新たな話題が出て、それが思い出話ペアに影響されるなんてことも。会話から少しずつ全貌が見えてきたり、思わぬ発展があったりしました。

最後は人生のアンケート。以前もやりましたが、まずアンケートタイム。自分の一番古い記憶、人生で一番充実していたころ、その頃に親しかった人の呼び名、などを思い出しながら書いてもらいます。それを元に、こちらが用意した台本の空欄を埋めていきます。今回は、孫が介護施設に会いに来るが、認知症のお年寄りはその孫を昔親しかった友人と思っているという設定でやりました。参加者さんの人生の一端が見えるシーンがたくさんありましたね。呼びかける場面で涙が出てきて驚いた、という感想もいただきました。

今回は全体的に、『記憶』や『語り』についてが多いワークショップでしたが、いかがでしたでしょうか。こういうワークでは、参加者さんの話をもっと聞きたい!と自然に思います。それに、自分の思い出話をすることも、忘れていたことを思いだしたりと意外な発見がありますね。自分の人生を振り返ることは他人の介護をする上で必要なことかもしれません。

次回の予定は未定です。また決まりましたらお知らせします。2019年はワークショップをたくさんやれて良かったです。新たな出会い、懐かしい再会もあり充実した一年でした。ご参加いただいた皆様、気にかけて下さった皆様本当にありがとうございました。

それでは皆様、良いお年を。

ワークショップレポートです!

2018年9月1日。介護にかかわる人のための演劇ワークショップのプレ回を行った日です。なんとこのプロジェクト、一周年を迎えました。ほぼ2か月に一回のペースで開催して、今回で第五回目です。参加者の皆さん、応援してくださる方々、ありがとうございます。

さて、今回のワークショップは進行役の一人、田澤恭平君のメイン回です。いつも田澤君コーナーとして一時間位を担当してもらっていますが今回はオール田澤!いつもよりも演劇要素多めでお送りします。

まず最初は挨拶から土田担当のウォーミングアップで身体をほぐしました。ストレッチで伸びをしてから、右手左手、右足左足、全身、をゆすります。一回目が終わったら、数を一つずつ増やしていきます。5で終わりにしましたが、少し息が上がってしまう位でしたね。

さっそく田澤君にバトンタッチ!まずは座って一言回し。輪になって、最近行った駅、最近食べたもの、を言っていきます。続いて拍手回し。拍手を順に回す→ランダムに飛ばしていきます。アイコンタクトが重要ですね。途中で立ち上がり、ニョッキへ。1ニョッキ、2ニョッキ、、と、かぶらないように数字をカウントしていきます。もし失敗しても、それはチャレンジですから皆で「ニョッキッキ!」とハイタッチしていきましょう。一度もかぶらず全員終わった時の達成感!テンポを速めての上級編もあっというまにクリアでしたね。

名前を使ったゲーム、「ネーム回し」。見えないボールを相手の名前を呼びながら投げます。受ける方はハイ、とキャッチしてまた他の人へ。ボールの数が増えていきますので、アイコンタクト&視界を広くする難しさがありましたが、ここでぐっと盛り上がった気がしました。

続いてはウォーキング。目をつぶって、部屋にあるものを指さし。スピードは1から5までの5段階。各自のイメージから、全体でスピードを合わせる、をやりました。歩きながらのアイコンタクト、挨拶やハイタッチもやりましたね。そうそう、ペーパーズというゲームも。参加者さん一人ずつ、大きなフセンに身体の部位を書いてもらいます。それを会場じゅうの好きなところに貼ってもらい、スタートの合図とともにその書いてある部位でタッチしていきます。全部タッチし終わった人から終了、というルール。これは色々発展させられそうですね。

そうだ、挨拶の中で膝と膝でタッチするというのもやりました。これも定番ですが思わぬポーズが飛び出して盛り上がりますね。

少し休憩をはさんで、イ他己(イタコ)紹介へ。ペアになり、5分ずつお互いの話を聞きあい、それをもとに、相手の人になりきって自己紹介を行います。他己紹介は「○○さんは、、、」とペアの相手のことを全体に向けて紹介しますね。今回は「イタコ紹介」ですので、ペアのことを紹介するのは同じですが、「私は、、、」と相手の人になりきって話します。なので内容だけではなくて、相手のみぶりや話し方を再現しながら話します。全体へのプレゼンは30秒、その後2分間の質問タイム。質問ではインタビューで聞けなかった内容も質問されますので、そこは思いつきでとっさに答えます。今思いついたなんて思わせないように自然に答えないといけません。これはもう即興劇。「犬猫のどっちが好き?」なんてライトな質問から、「パートナーはどんな人?」など想像力を膨らませないと答えられない質問まで。しかも演じる相手は客席側で見ているというプレッシャーがありますしね。

一息を入れてから四角歩き。部屋の中央を四角くラインどりし、その上を会話しながら歩きます。ただその時、先ほどのイタコ紹介で演じた他人のままで、、という条件つき。中々歯ごたえのあるワークでしたね。その二人は、10年前に夜間学校で一緒だったという設定。今日は同窓会があり、その帰り道です。うーん、頭がパンクしそう。

さらにルールで、四角のラインを三週歩きます。一週目は雑談。二週目は紙に書いた様々なお題を実行。三週目は「実は、、、」とセリフを言う、というさらなる課題が待っています。これを書いているだけでも大変そうですが、皆さん上手にクリアしていましたね。これはペアを変えてもう一回行いました。様々なドラマが生まれて笑いが止まらない場になりました。

最後に全体の振り返りをして終了。初参加、演劇初体験の方からも好意的な感想をいただきほっとしました。

今回の行ったワークは、いわゆる「演劇ワークショップ」で行われるワークオンリーでした。とても盛り上がり、演劇ワークショップのすごさ、面白さを改めて感じた回となりましたね。今回は特別編ということで、参加者の皆さんも楽しんでいただけたようで何より。これをきっかけに、あまり知らない方も演劇ワークショップや、演劇そのものに興味をもっていただければ嬉しいです。

ご参加いただいた皆様、気にかけて下さった方、ありがとうございました。今後とも精進してまいります。また次回開催についてはお知らせさせていただきますのでまたぜひ、ご参加ください。お待ちしております。

第四回ワークショップのレポート

7月も終盤になって暑くなってきましたね。こんにちは、土田です。実は私、7年間勤めていた職場を退職することになりました。介護職は続けていく予定ですが、何だか人生の転換期。もちろん、このワークショップは続けていきますよ。

、、というわけで、7月に第四回 介護にかかわる人のための演劇ワークショップを開催しました。少し時間がたってしまいましたが、以下、レポートです。今回は初めて体育室を使いましたが解放感があってよかったですね。

最初はウォーミングアップ。椅子に座ったままできるストレッチをやりました。実は私、ケーブルテレビでやっている介護予防の番組に、はまっていまして。その番組のストレッチから今回厳選して組み立てています。椅子に座ったままできて肩甲骨や股関節にもアプローチできるというのがポイントで、介護現場でも使えそうなものばかりです。次回以降もやっていこうと思いますので興味がある人はぜひご参加下さい。

脇を伸ばしたり
股関節にもアプローチします

次に、30秒タイムアタックというゲーム。目をつむって、30秒ぴったりを当てるというゲームです。一番近い人が優勝となります。最初は普通にやって、次は30秒超えたら失格というルールを付け加えました。早めに手を挙げても、他の人が失格したら勝てるわけですね、ちょっと駆け引き要素が生まれました。最後は目を開けたままでやってみる。お互いの様子見の場面、ちょっとハラハラしましたね~。30秒の感覚をつかめたところで、自己紹介回し。お題は「最近はまっていること」を「30秒」以内に話します。短い?でも大丈夫、これは二週します。二回目が来るので話したりなかったら続きを話してもいいし、別の話をしてもいいのです。色んな趣味や好みが聞けてちょっとワクワクしましたね。朗読だったり、ワインのおススメだったり、自分の気持ちのことだったり。ちなみに私は「山ちゃんと蒼井優さんの結婚記者会見の動画を見ること」を話しました。そういえばレポート冒頭にあげた体操番組も「最近はまっていること」でした。

次にYESNOゲーム。お題の質問に、一方をYES、反対をNOとして、一列に並んでもらいます。「お酒は好き?」「運動は得意?」などどんな人かを知る質問から始め、「介護を経験したことがある」「認知症の人と話したことがある」など、介護にかかわる質問もありました。続いて、「これって介護?」と題して、介護のシチュエーションについて、それが介護だと思えばYES、違うと思ったらNOに並んでもらいます。例えば、「高齢の母親のオムツをかえる」、「お風呂に入る手伝いをする」。これら身体介助は介護と分かりやすいですよね?では、「歩くのを見守るだけ」だったり、「トイレの時間の声掛けをすること」は、介護なのか?どうなのか?また、相手が高齢だと介護だけど、同じことを幼児にするとそれは、介護?、育児?などなど、介護という言葉から生まれるイメージの、その境目を考えてみました。このワークのあとは、輪になって自分にとっての介護とは、を感想含め話してもらいました。これも30秒で二回回しです。色々な意見を聞くことができましたね。

次は、久しぶりの「見守る。」まずはウォーキングからスタートです。最初にスピードをそろえて歩きます。合図したら、徐々に早歩き。次は、合図したら徐々にゆっくり歩き。最後は、早くかゆっくりか、好きな方を選んでいただきます。同じ空間に、早歩きの人とゆっくり歩きの人が同時に存在する空間。パフォーマンスのようで私は見ているだけで楽しかったです。

目をつむったペアを誘導します

今度は参加者同士のコミュニケーションへ。最初はアイコンタクト→ウインク。次は挨拶しながら握手。そして握手しながら空いてる片手で別の人に握手するを繰り返していくワークへ。これは久しぶりにやったんですが、やはり盛り上がりますね。単純なんだけど自然に体がほぐれて参加者同士の壁が一個剥がれる感じがします。

いよいよ本題の「見守る」へ。まずはブラインドウォーク。ペアになり、ジャンケンをして先攻後攻を決めます。先攻の人は目をつむり手のひらを下にして腕を伸ばします。ペアの相手は人差し指を手のひらにあて、ゆっくり歩いて誘導していきます。まずはまっくらな世界を体験してもらいます。交互に暗闇の中を歩くことを経験したら、いよいよ本題。今回は誘導しません。どこにも触らない状態で、目をつむった人は自由に遊んでみます。危なくなったらペアの相手は手を腕や肩にふれて止める、というワーク。今回は声には出さずに触れて止めるというルールでした。これを交互にやったあと、相手が大きな風船に入ったイメージで、その風船のどこかに手をふれて見守る、というのをやりました。ペアで振り返ってもらい、全体にシェア。見守るって、介護だけじゃない、というものや、声を使ったらまた変わったんじゃないか、という感想もありましたね。色々試してみましょう。そうそう、途中で目をつむるのが怖いので、、、と見学を申し出てくれた方がいて良かった。気楽に今回のワークは見学します!と、抵抗感や疲れを感じた時にワークからすっと離れることができるといいですよね。最初のアナウンスでお伝えするのですが、そういう言い出しやすい空気を理想としているので、実現できてちょっとうれしかったです。次回以降の参加者さんも見学したい!といっていただいてOKですよ。

これも誘導中の場面
目をつむって遊んでもらって見守ります

休憩を入れたあとはお待ちかねの田澤君コーナー。

私からのリクエストで、「これはなんですか」をやってもらいました。以前の回で一回やってもらったことがあるのですが何か感じるものがあったんですね。前回は時間押してて巻きでやってもらったのもあって、今回は時間もたくさん使えるスケジュールで組んでみました。まずはおなじみ、「ねえねえ」。一人が「ねえねえ」全員「なーにー?」一人「○○しようよ」全員「いいねえ」で、皆でその○○を表現します。どんどん発想を柔らかくしていきましょう。皆で飲み会をしたり、ごろごろしたりしました。今回は割とインドア系だったかな。

組体操はやりました!

つづいて、「これはなんですか」です。まずは部屋中に参加者さんお持ちの小物を並べます。ペンケース、アイブロウ、雨合羽などが床に散らばった状態になります。次にペアになって、片方が好きなものを指さします。「これは何ですか」相手は「これは、○○です」と答えます、指さした人は「これは○○なんですね」と返事する。ルールはこれだけです。単純なんだけど、奥深い。ペアを交代してやってみます。「これは○○なんですね」、の返事の時に感情こめて返事してみましょう、という指示があり、やってみると相手も乗ってくるのが分かりました。それに自分も、あげて返してもらえるのうれしい。これって日常のコミュニケーションでもそうですよね。まるで子どものように部屋中のものを聞いてしまいました。お題はレベルアップし、○○です、に形容詞をつけます。「○○な□□です。」やってみると分かりますが、形容詞をつけるのも色んな選択肢があるなあと実感しました。ペンケースを見て「青い」か、「四角い」か、「素敵な」か、、、。同じものでも色々な切り取り方があるものですね。さらにバージョンアップ。見たままではなく、別の何かとして答えます。普通のボールペンを指さして「おおきな、くじらです」と答えたりしました。これも発想が豊かになる瞬間。これも、相手に「へえ~、○○なんですね!」とリアクション多めに受け入れてもらえるので、何だか楽しくなってきます。

なんだか私、楽しそう、、、
リアクションが豊かで笑いをとっていたペア
会場の中のものすべて対象です

ここでちょっと考察。「内臓とこころ」という本より、指さしや名づけというのは人間の本質的な体験だ、という話がのっていました。以下、引用、、ルートヴィヒ・クラーゲスという、ドイツの哲学者は、幼児が「アー」と声を出しながら、遠くのものを指さす、この動作こそ人間と動物を区別する、最初の標識だといってます。、、、

さらに、その本では一歳半あたりからこれはナーニ?とひたすら聞き続ける時の幼児の内面を考察しています。つまり、舐め回したり触りまわしたりした感覚の記憶で対応できない目の前のモノ。それを実感するためにこれはナーニ?これは○○だよ、と聴覚で聞いて、音の響きを何度も聞いてそのモノの存在を実感するのだ、というのです。「指をさして、声に出す。」「その名前を名付けて音の響きを味わう。」なんてまんまこのワークのことじゃないですか。そうか、「これはなんですか」は幼児の頃のものを初めて認識した頃の体験を再体験してるともいえますね。

最後の方は、一言で終わるのが惜しくなってました。思い付きで答えた「○○な□□」について、もっと聞いてみたい、話してみたいという想いが生まれました。この後、会話を続けてみたら面白いんじゃないかなあ。演劇的な要素がいっぱいつまってますね。ワークの30秒振り返りも行って、これも有意義な時間でした。

さて、最後のワークに移る前に、「だゆうの認知症講座」です。今回は認知症の定義をさらっと話して、お役立ち情報をふたつほどお伝えしてみました。認知症の定義から、生活とは何かという話へ。そして本日の最後のワーク、「生活の台本」です。まず皆さんに生活行為について思いつくものをあげてもらいました、そして、その中から多数決で台本化するものを決定しました。今回のお題は、、「挨拶をする」!これは私からは決してでなかったであろうお題でした。挨拶をしようと思うところから始まり、最後の挨拶をし終わるところまでを分解して書いてもらいます。それをペア同士で皆の前で読み、相手はその分解した行為を身体で演じます。挨拶、というお題から、挨拶するときの目線、口の開きを分解してみたり、義理の親の家にお盆の挨拶にいく、のを分解してみたりと色々な場面が出てきました。職場だったり、ご近所さんだったり、挨拶って生活に密着してるんだなあと実感しました。それに人によってする場面や想定する場面がバラバラ!挨拶って、生活のどこかに混じりあっていて、多様性が現れる行為なのかもしれませんね。

「挨拶」を、分解して書いてもらっているところ。

最後は「振り返り」今回は、30秒感想回しというスタイルで行ってみました。一人30秒で感想を言う、を二周します。他の方の感想を聞いての二回目は新たな発見があるし、30秒でぎゅっとまとまってて聞きやすかったですね。この感想スタイルは今後もやっていこう、タイムキーパーは田澤君のタブレット。

さて、レポートは以上になります、いかがだったでしょうか?今後も「介護にかかわる人のための演劇ワークショップ」は継続して行っていきます。ご興味ある方はお気軽にご参加ください。リピーターの方が多いのが特徴で、本当に参加してくださる皆様、ありがたい限りです。参加人数も徐々に増えてきていますのでもっと大勢の方が楽しんでくれる場になるよう、精進していきます。

そうそう!今回よっちゃんこと吉田みずほさんがアシスタントで参加してもらいました。いやあ、ナイスアシストありがたかった!さらに振り返りも参加していただきました。吉田さんは役者さんですので、ぜひ出演情報などもチェックしていただければと思います。

次回は9月15日(日)、13時~17時を予定しています。場所は下高井戸駅近く、松沢区民集会所の和室です。ご参加お待ちしております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

介護にかかわる人のための演劇ワークショップ第2回 レポートです!

 

2019年も2月になりました、だゆうこと土田です。

認知症講座の最中

最近は私、37歳にして初めて虫歯になりまして、歯医者通いが始まりました。歯磨きはやっぱり大事だな、、、と実感している日々です。当日も歯が欠けながらワークショップやっていたのでした、、、虫歯って怖いですね。皆さんもお気をつけください。

 

さて、第二回介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、レポートです。このレポートは、当日参加者の皆さん、当日参加できなかったけどどんなことやるの?と興味を持ってくれている皆さんに向けて書いています。ワークショップこんなことやったよ、という内容、我々のどんな考えがそのワークに含まれているのか、その他ワークショップから生まれた考察などを書いていきたいと思います。

  さて、当日午前から集まっての共同主催者田澤さんとの打ち合わせ。

おやつコーナーにて

喫茶店で、こんなワークやりたいんだよね、と私が話すと、うーんと考えたかと思うとあれは?これは?と指摘をもらい、みるみるうちに一つ新作ワークが出来上がりました。後述しますがキラーコンテンツになりそうな予感。今回の参加者さんは4名。演劇関係の方が多かったです。リピーターの方1名、初参加3名でした、ありがたいことです。介護関係・育児関係の方、ご参加お待ちしています。

 それでは、ワークの内容に入っていきます。会場は我らがホームタウン(!?)、松原区民集会所の和室。畳で落ち着いた雰囲気、緊張感が和らぎます。最初のご挨拶を終えて、まずは「歩き回る」です。自由に部屋を歩き回り、会場に体をなじませます。
ストップして目を閉じてもらい、指定のものが部屋のどこにあるか、を指さしてもらいます。細かな観察が大事ですね。姿勢を良くする歩き方もやりましたね。歩きながら、舌の先を上アゴにつけて、あごを少し引きます。これだけで姿勢が良くなるから不思議。手の角度を変えるのもやりましたが、私の見本を見せれば良かったですね。次に歩き回りながらのアイコンタクト、挨拶を言いながらのハイタッチ、肩と肩、背中と背中、膝と膝の挨拶。今回さらに、指と指、爪と爪をやりました。指の時、E.T.やればよかったな。爪と爪は意外と体の動きが面白かったです。ミニマムな方のコントロールが難しかったりしますね。

 最後はスピード合わせ。通常の歩きを5段階中の3として、声に出された数字に合わせてスピードを調整します。5が最速、1が最低。とっさにスピードが変わるので、一瞬でテンポを変えるのが難しい。最後は0.5から、0.00001をやりました。想像もつかないような遅い動き。これを身体で体験していただきました。後日、職場で介護中にこのワークが役立ちました。お部屋まで行きたいのに、周りが気になったりして中々進んで下さらない入居者さん。つい、あせって急がせてしまうのですが、そこでこのワークを思い出して、とんでもなく遅いペースにギアチェンジしてみたんですね。動きも、しゃべり方もゆっくり。そうすると、自分のあせりがふっと消えて、落ち着いて声掛けすることができました。介助が終わった後、片付けなど業務に戻ったらギアを5にしてスピードアップ!このスピード合わせワーク、ケアに関わる方にいいかもしれません。それにしても自分のワークショップで仕事の気づきを得るなんて、なんと役得なのでしょうか。

 

休憩中に何故か始まったストレッチタイム

ジャンプの瞬間!

 歩き回るが終わったあとは、「氷をとかす」。共同主催者、田澤さんタイムです。最初は円になって拍手。全員で息を揃えてやりました。拍手+ジャンプと難易度が上がっていきます。拍手が一発でそろうと気持ちいい。その次は、前回もやって評判の良かった「ミャンマー」というワークです。

 全員で円になって、順番に「ミャンマー」と口に出すだけ。順に数を増やしていきます。最初の人がミャンマーと言ったら、次の人がミャンマー、ミャンマーと2回、さらに次の人は3回、、、という風に。魔法の言葉、ミャンマーは気合を入れれば入れるほど失敗してしまいます。この、緊張感。

失敗しちゃった!

 今回は、失敗したら「失敗しちゃった!」とポーズをとる、それと並びをシャッフルして、「テヘペロ」ポーズ(ペコちゃんみたいにウインクして舌を出すポーズ)をとる、の2パターンをやりました。このワーク、失敗することは目的でないと思います。それよりも、失敗をおそれず「チャレンジ」する。成功したらうれしい。でも、間違える時はある。その時に(ああ、だめだあ)と落ち込むのではなく、(失敗しちゃった、えへっ!)と皆で前向きに受け入れていくということ。が大事なのかもしれないですね。ワーク自体はシンプルながらも盛り上がり、笑いも生まれていましたね。

 「氷をとかす」の最後は、「これは何ですか」。部屋中に小物を置き、二人ペアになって、部屋を歩き回りながら「これはなんですか」と聞きあいます。相手は「これは○○です」と答え、「これは○○なんですね」と返事するだけのゲーム。最初に、これ面白いのかな?!と思わず思ってしまいましたが、参加者さんから、「自分の子どもの部分に立ち返ることができた」、といった内容の感想をもらいました。自分が言ったことに、そのまま認めてもらう=承認してもらう感覚をこのワークで体験されたのかもしれません。次に、これは○○な○○です、と形容詞をつけていいます。(例:赤い鉛筆です)最後には発展形として○○の内容を自由に変えて言う、をやりました。普通の鉛筆を指さして「これは、丸い、くじらです」。想像力を豊かにいきましょう。さらに、「これはアーな、ウーです」みたいに意味のない音にしてもかまいません。やっていくうちに参加者さんの発想力が少しずつ開放されていきます。思わず笑ってしまう回答もあり。私は、このワークの様子を見て、介護現場で見覚えのある光景だ!と一人興奮しておりました。介護現場では、認知症のお年寄りが目の前の物を、事実と違う物に認識して発言することは良くあるのです。「あそこに男の人がいるわ」とか、「これは○×▽(単語にならない発声)なのよ」など、、、。慣れていないスタッフさんだと、思わず発言を否定したり、自分達の都合の良いように誘導したりしてしまいがちです。そうではなくて、「ああ、男の人がいるんですね」「○×▽なんですね」と、まず、受け入れてあげることが大事なんだ、ということを再認識できました。

後日、職場で使ってみたのですが、一番発見があったのが、お年寄りに対してではなく、スタッフさんに対してでした。職場にてスタッフ同士の会話中など、つい否定したり指示したりしてしまっていたんです。反省。これは介護現場だけでなく、どこの職場、家庭でもそうかもしれませんね。日常生活にも役立つワークでした。

 予定を少し変更して、「YESNOゲーム」。質問に対してYESNOの位置に並びます。お酒が好き?介護の経験はある?など、参加者さんの人となりや経歴がうっすらと分かってきます。次は「並びかえゲーム」。言葉を使わず、お題にそって一列に並びます。びっくりしたのは指の温度順。最初の人からすごく暖かい!これ以上暖かいなんて、、と思いましたがちゃんと順番通り暖かくて冷え性の私は驚きました。かなり指温度の高い人揃いでしたね。並び替えの最後のテーマは出身地。北から南の順に並びました。中央にできた東京(世田谷区、杉並区、北区)の皆さんが正確な位置関係でならんでいて面白かったですね。足の大きさもやりました。

だゆうの認知症講座でカンタンに認知症の定義を説明したあと、生活の台本に入ります。これは前回、前々回もやりましたが、今回はお題を参加者さんに上げてもらいました。「パジャマを着る」「掃除機をかける」「ご飯を炊く」など出ましたが、その中から今回は歯磨き、をやりました。私が歯磨き大事と身に染みていた時期だったので、このテーマを無意識に選んだんでしょうか。でも歯磨きってとってもいいお題でした。誰もがやるし、プライベート度が高いので、人によっての違いも様々です。


ワーク自体の説明をします。5分時間をとって、歯磨きの行為を分解して紙に書いてもらいます。皆さん頑張って書いて下さっていました、30項目近く書いた方もいましたね。これが世界に一つだけのオリジナル台本です。それをペアになって自分の書いたものを読み上げます。ペアの相手はそれに合わせて、隣で身体を使って演じていきます。

 歯磨きだからたいした動きをしないのですが、これが面白かったです。皆さんかなり笑ってましたね。まず歯を磨いて、フロスをして、うがいも水なのか、洗浄剤なのか?こだわりなんて大それたことじゃないんでしょうが、生活の習慣ってこんなにも違うものなのですね。そうそう、歯磨きにたどり着くまでの内面だけで終わった方もいました。認識して、考えるだけでも何個も項目ができるものですね、哲学的。それとは逆で、ひたすら具体的に磨く行動を描写するのも哲学的ですよ、歯磨きとは何なのか、、、を考えさせられました。磨き方も縦みがきする方もいました、奥が深い。介護現場で口腔ケアする時に、右か左、どちらから磨きますか?って聞いた方がいいかもしれませんね。意思を伝えられないような重度の入居者さんは、こっち側から磨いてほしいのに!って思っているかもしれません。生活のことを考えるのって、細かくて深くて、面白いなあ。

  さて、お次は新作、「今日は火曜日/何してんの(仮)」です。これは二つのワークから成り立っています。まずは、「今日は火曜日」から。リーダー役が、「今日は火曜日だよ」というのに参加者さんが一言答える、それを順繰りに回していきます。答える内容は、火曜日だ、を受けてそれに乗っかる回答です。例えば「大変だ、ごみの日だ!」とか「今日はお休みだ!」とかなんでも良いのです。ただし、「そんなわけないじゃない」とか「何言ってんだ」などと、全否定するのはなし、というルール。

これは演劇ワークショップの精神、「YES、AND」(まずは受け入れて、それを前に進める)を体現するワークです。今回は私が火曜日だよ、という役をやりましたが、これは交代制でやっても良かったですね。皆さんのはっとするお答えに、思わずニヤリとしてしまう。次に発展形の介護バージョン。認知症の方の基本的な症状として、何度も話を繰り返すという症状が特徴的です(全員というわけではありません)。介護現場でよくある状況として、お食事後にも「ご飯まだなの」とおっしゃることがあります。これを「YES、AND」で返答してもらいました。「ご飯まだなの?」に対して「むこうで作っているみたいよ」「これ食べて待っててね」「何、食べたい?」「お腹、すいたね?」などなど。介護職の私も唸ってしまう参考になる回答がたくさん出ました。実際においても「さっき食べたでしょ!」と否定するのではなく、その方の気持ちを受け入れて、このワークのように対応できると良いですね。次の「何してんの」は、演劇ワークショップでも割りとよく登場するワークです。一人が何かのジェスチャーをしています。次に並んでいる人が「何してんの」と聞きます。聞かれた方は、今やっているジェスチャーと違うことを言います。聞いた方はそのジェスチャーをします。例えば、Aが掃除のジェスチャーをしています、Bが「何してるの」と聞いて、A「バスケットボールしてるの」と答えたら、Bはバスケットボールの動きを演じます。次のC「何してるの」B「洗濯してるの」、Cは洗濯のジェスチャーをする、これを順番に回していきます。思わぬ言葉にとっさに動けず戸惑ったりしますし、自分の動きと違うこというのって結構難しいんですよね。

これもさらに介護バージョンに発展させます。「あら○○さん」と呼び掛けられるのを、否定せず受け入れた一言を返事します。○○は、固有名詞でも、職業でも、有名人の名前でも何でもありです。例えば、「あら時計屋さん」には「いつもお世話になっています」、「あらお母さん」には「ただいま、もうご飯食べた?」と呼び名に合わせた返答をします。一言ならず会話が発展するペアもありましたね。これは、認知症の方が相手を自分の記憶の中の誰かと思い込んで呼び掛ける状況を想定しています。


そして最後の発展形では、今までを組み合わせたお題です。介護現場の設定で、入居者さん役、と介護者さん役になります。まず、介護職が「こんにちは」、入居者は「あら○○さん」と自由に呼びかけます。それを受け入れる返答をしながら、介護者「今何してるんですか?」、入居者「○○してるのよ」と答えます。「○○してるんですね」と受け入れて会話していきます。そして、この介護職は入居者さんをお昼ご飯の食堂まで連れていきたいという目的があるという設定です。会話をしながら、うまくかみ合って連れていければOK,でも連れていけなくても会話が盛り上がってもOK、というゆるい縛りにしました。何がなんでも、だと強引な選択肢も出てきてしまいますからね。

今回は、制限時間は2分でやってみました。、、、これが盛り上がりましたね!介護職はお昼ご飯連れていきたいけど、「犬の世話をしないといけない」、「パスタを作って食べなきゃいけない」、など大事な用事をしている人をどうその気にさせるか?短い時間でしたが、それぞれのペアでドラマが生まれていましたね。この課題を上手にクリアするのはかなり難関です。ちなみに、私は介護者役をやった時に、見事に敗北。食堂に連れて行けず、犬のお散歩することになりました。
でも、たとえうまくいかなくても、入居者役に振り回されて右往左往する方がウケて盛り上がります。それはそれで良し、なんですね。目的と衝突という演劇のドラマ構造がここに含まれている気がします。このワークは我々の、目玉のワークになりそうな予感。次回以降もやって、育てていこうと思います。

 最後は前回もやりました、「人生のアンケート」です。アンケートをもとに、お芝居の一シーンを作っていきます。内容は、輝いていた時代はいつか、何をしていたか、誰と一緒にいたか、というもの。将来自分が認知症になった時に、いつの時代に戻るのか、誰のことを呼びかけるのか、を想像してもらいます。演劇関係の参加者さん二人が同じ回答になっていたのが面白かったですね。役者は好きなことが「芝居の稽古」。それが趣味であり、人生の大事な時間でもあるんですね。今回はただアンケート取るだけでなく、ペアでインタビュー形式で聞きあってもらいました。その分、深い内容のアンケートになったように感じます。これ、お互い聞き書きみたいな感じでできたらいいかもしれませんね。

インタビュー中

各ペアとも役割を変えて、介護施設の設定で、台本を持ちながら入居者役、面会者役を演じてもらいました。このワークはアンケートをもとに作っているので参加者さん本人が垣間見える気がします。前回もそうでしたが、見ながらぐっと来てしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後は輪になって感想タイム。概ね好意的なご感想をいただき、ほっとしました。色んな気づきを共有させてもらい、主催の私も気づきをたくさん得ました。ありがとうございます。最近ご家族を見送った参加者さんから、急変する時期にご家族の入居施設に泊まることで、ぐっと介護職と身近になったという話をしていました。その経験で、たくさん話す機会もできて良くわかったけれど、それまで週一回の面会だけでは全然分からなかったとのこと。そうか、最期の大変な時期に分かっても遅いよなと思います。介護施設でご家族にお泊り会を企画して、来てもらえばいいのじゃないかな。

 終わった後は近所の居酒屋「たつみ」にて、有志で打ち上げ会でした。介護職の方と演劇関係の方が語りあっているのを見て、この飲み会は普段出会わない人達が出合い何かが生まれるプラットフォームになればいいなと夢想してしました。もちろん楽しく飲んで盛り上げるだけでも充分なんですけどね。そうそう、おススメの飲食店紹介を一分回しでやりましたね。これは面白いのでまたやりましょう。飲み会の一部をワークショップ化。

今回上がったのは、、下高井戸「ちゃぶだい」のハンバーグ、松陰神社前「おがわ屋」のおでん生食、千歳船橋「よつ葉」の汁なし担々麵、「ヴィレッジヴァンガード ダイナー」のハンバーガー。でした。

 さて、次回は4月頃にやれるかな?また、日程決まりましたらこのブログでもお知らせしますね。たくさんのご参加、お待ちしてます!

 

第一回 介護にかかわる人のための演劇ワークショップ レポートです!

 はい、土田です。第一回介護にかかわる人のための演劇ワークショップ、開催しました。

今回は参加者3名と少人数で、ぎゅうっと濃密なワークショップになりました。このワークショップは田澤恭平くんと私土田悠二人が主催の演劇ワークショップです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                           

以下レポートです。

最初のご挨拶、畳の会場なので、少し落ち着いた雰囲気が流れる気がしました。自己紹介と注意点をお伝えし、まずは「歩き回る」のワークです。前回はかなりマニアックな、、、自己に没入するような内容を中心にしていましたが、今回は、「いわゆる」ウォーキングといわれるワークをやってみました。会場を観察してもらい、目を閉じてあるものの位置を当てるゲーム。続いて、歩きながら他の参加者さんにアイコンタクト・ハイタッチ、挨拶を言うというコミュニケーション。肩タッチ、背中合わせ、膝タッチをやりました。まだ歩き回るは続きます、スタート・ストップ・ジャンプ・スローの指示で歩く。指示の入れ替えを行いました。誰も間違える人がいなかった!全然、間違えていいんですよ~。

 歩き回るの後半は一列に並ぶコミュニケーションワークをやりました。全然歩き回るじゃあないですね。まずはYESNOゲーム。部屋の一方をYES、反対側をNOと決めて、質問に合わせて一列に並ぶ。お酒は好きですか、介護の経験はありますか、演劇の経験はありますか、などのお題で並んでみました。演劇経験、子どもの頃の学芸会入れたら確かにみんなありますね。いくつかやっていく中で、今回の参加者さんの経歴がうっすらと見えてきます。次に、お題ごとに並ぶ、声には出さないで。身長順、体重順、誕生日順、手の大きさ順、指の温度のあったかさ順、でやりました。指を皆さんで触りあう光景が面白かったですね。

 もう一人の進行役、田澤恭平くんの「氷をとかす」のコーナーです。

「ミャンマー。」順繰りにミャンマーと言っていく、回数を一個ずつ増やしていく。噛んだりつっかえたらみんなで万歳ポーズして「失敗しちゃった!」というゲーム。単純だけど面白い。アンケートでも人気でした。

 

 

 

 

 

 まず、ミャンマーという魔法の言葉。繰り返せば繰り返すほど難しくなる。そして、このゲームのテーマは、「失敗を許容する」。わざと失敗したり、適当にやるのではなく、ちゃんとできるようにチャレンジする。でも失敗しちゃったら仕方がないよね、という気分を皆で共有するのです。私はこのワークから「注文をまちがえる料理店」というイベントを思い出してました。詳しくはコチラ。この企画、注文をまちがえるという失敗を目的にはしてないんですね。がんばってチャレンジして、それでも、失敗しちゃったときに「注文をまちがえる」が起こる。それを受け入れようよ、てへって笑いあえる関係を作ろうよ、というのがこの企画のポイントだと思います。成功を目指すことと、失敗を期待する、この兼ね合いが難しかったって、主催の方がネットの記事で書いていました。失敗しないようにがんばる、うまくやるという目的がある。でも失敗しちゃったことで起こることが、結果的には、面白くて楽しみになっているという、、、二重構造。ここでは、その象徴として「てへぺろ」って言ってました。今回やったミャンマー、も、間違ったら手を頭の後ろに当てて、舌をぺこちゃんみたいに出して「てへぺろ」っていうのも、アリかもしれません。そういう雰囲気が当然の社会になったら、認知症や何かの障害があっても生きやすいでしょうね。

 「魔法の杖があったら」というワーク。手をぐるんとまわして魔法をかけるポーズ、「魔法の杖があったーら」の掛け声のあと、なんでも好きな叶えたいことを言っていく、というルールです。「女性になってみたい」「仕事をやめたい」「空を飛びたい」など頭を柔らかくして発想がどんどん豊かになっていきました。私の願望は自分の仕事関係ばかりでしたね。

続けて、「ねえねえ」。誰かが「ねえねえ」と言ったら全員で「なーにー」と返事します。「○○しようよ」と言うのに合わせて「いいねえ」と返事。その場でみんなで演じます。サッカーしたり、筋トレしたり、休んだり、もちつきしたり、バンドで演奏したりしましたね。演劇ワークショップで一番好きなワークです。氷は十分すぎるくらいとけたんじゃないでしょうか。

 

 そして、「見守る」。ペアになっての暗闇ウォーク、一人が目をつむってもう一人は背中を押して誘導します。次に触らず声だけの指示で歩く。最後は大きな風船に入っているというイメージ、そのどこかに触れているようにして見守りながらついて歩くというワークをしました。この見守る、介護だけでなくて保育でも、障害者の方の介助も一緒のことですよね。今回は参加者さんが少なかったから難易度は低めだったかな?人数多めでまたやってみたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私たちのオリジナルワーク、「生活の台本」に入る前に「だゆうの介護講座」。認知症のことについてレクチャー形式で説明してみました。

 いやあ、講義するのって難しい。しどろもどろになってしまった。認知症の定義は説明できても、「認知症とアルツハイマー病の関係とは?」「アルツハイマー病って何ですか?」にうまく答えられなかったです。改めて説明してみます。認知症は生活に障害が起きる症状の総体です。例えるなら鼻水や頭痛といった症状と一緒。例えば、鼻水の原因は風邪という病気ですよね。それと同じで認知症の原因となる病気がたくさんあり、その一つとしてアルツハイマー病がある、という関係なんですね。アルツハイマー病の定義ですが、「認知症の原因疾患の中でも、最も多い病気。脳に特殊なタンパクが蓄積し、記憶を司る海馬を中心に、広範囲に委縮していく」と、レポートで書いてみました。(「ぜんぶわかる認知症の事典」 河野和彦監修 より)次回はもう少しわかりやすく説明できないかやってみます!

 レクチャーに続いて、「生活の台本」に入ります。生活行為の一つを細かく分解して書いてもらいます。それを台本として、ペアになって発表します。一人は自分の書いたものを声に出して読み、お相手はその内容を聞いた通り演じる、というワークです。前回はお茶をいれる、という場面でしたが、今回は「お風呂に入る」でした。

シャワーだったり、浴室に入るタイミングや頭を洗う順番が違ったりなど人によって違いが見えました。細かく書いてもらって、着替えを持ってきたり、入浴剤を入れたりとお風呂に入る前に必要な行為が多いことに気づきました。結構無意識にやっていることがあるものですね。そもそもお風呂を入れるところから始まりましたものね、確かにいつもお湯が入っているとは限りません。24時間風呂をつけているおうちだと違うのかな。

  最後は「人生のアンケート」。あなたの人生で一番楽しかった、忙しかった時期は?などのアンケートを書いてもらい、それをもとに台本を作ります。

自分たちが認知症のお年寄りになって、介護施設での面会の場面を演じます。介護関係の参加者さんの演技の自然なこと!舞台に出た経験のあるものとしては思わず対抗心を燃やしてしまいました()。対人援助職は演技が上手、という私の仮説は立証されました。思い出の人に呼び掛けるシーン、大学の友達だったり、昔の仕事仲間だったり、芝居の師匠だったり。参加者さんの人生の一コマが垣間見えて、思わずぐっときていました。このワークは岡山の団体オイボッケシさんのワークをもとに多少アレンジさせてもらっています。すごいワークだなとやってみて思いました。今回参加者さんが少なく、全員が自分が主役で作品を作れたのもよかったですね。人数多いと、グループで本人演じるのはその中の一人だけ、とかになってしまいますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間が余ったので、「話をきく」というワークを行いました。ステージの上で二人が椅子に座り、お題に沿ってただ話す、だけ。それを観客が見ている、ただのフリートークがなぜか演劇のように見えてくる、、、。今回は思いついたお題が「介護をはじめたきっかけ」でした。人生のアンケートの後だけに、語られた言葉が重みをもって聞こえました。これ、この会場ならでは、和室の畳スペースとは別に、一段高くなった板張りのコーナーがあり照明を当てることができたので、劇場のような雰囲気が出ていましたね。

 最後は皆さんで感想をシェア。居心地がいい、刺激になる、などの感想をもらいました。普通の演劇ワークショップにないものを体験できたとも言ってもらえたのが嬉しかったです。というか、参加者さんが素晴らしくクリエイティブで積極的で助けられましたね。ありがとうございます。今回、前回から続けて参加の方が2名!これはうれしい。またのご参加をお待ちしています。

 以上、駆け足のレポートでしたがいかがだったでしょうか。今回は初の会場で公民館の和室を使ったのですが、発表の際はスポットライト風に発表者を照らすこともできてワークに効果的でした。ここをホームグラウンドにしよう。

 

それではまた。次回は来年の22日(土)を予定しています。会場次第で日程変更になるかもしれませんが、その際はこのブログなどでお知らせしますね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。