専門書100冊チャレンジ:認知症ケア、演劇、ワークショップ、介護に関連する書籍(自分で専門書と感じればOK)を100冊読んでレビューします。
7冊目:「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること 」河合雅治を読む。 元産経新聞論説委員のジャーナリストの方が書いた本の2作目。一作目は読んでないのだがベストセラーだそう。今作は少子高齢化・人口減少社会が個人にどんな影響をもたらすか、ギフトカタログのように一覧してみるというコンセプト。 すごく悲観的にシュミレーションして書いてあり、実際にこれらのことが起きると考えると、とても背筋が寒くなる。少子高齢化、人口減少、とフレーズで止まるのではなく、そうなったらどんな日常になるだろうか?と考えることが大事だと思いました。山崎亮さんの「コミュニティデザインの時代」という本は、人口減少を逆にすごくポジティブに捉えている。とても対照的。両方とも読んでおくと多面的に考えることができる。
・2016年、初めて年間出生数が100万人を割り込んだ。
・合計特殊出生率をおいかけても実態は把握できない。過去の少子化の影響で、今後は子どもを生む女性の絶対数が減っていくから。
・2017年、65歳以上高齢者の3人に一人は80歳以上。2043年(22年後)は総人口の7人に一人が80歳以上。高齢化率(総人口中の65歳の割合)は36%を超える。
・高齢社会の次は多死社会になり火葬場が足りなくなる。同時に住職不足で葬式も法事も待たされるようになる。
・8050問題:1980年代に10代で引きこもった子どもが、そのまま年齢を重ね親は80代、無職の子どもは50代で経済的、精神的にも行き詰まる家庭が増加する社会問題。
・団塊ジュニア世代:日本で1971年(昭和46年)から1974年(昭和49年)に生まれた世代を指す。(現在47~50歳)第二次ベビーブーム世代とも呼ばれる。2042年はこの年代が70歳に突入する年。2042年問題(高齢者数がピークを迎える)。団塊ジュニア世代は人数が多いため、10年前よりおよそ半分の水準で出世できていない。正規・非正規とも老後に貧困になる可能性が高い。
・刑務所内で高齢化が進み、刑務官が受刑者の介護をするケースが増えている。
・筆者は、個人でできる対策も紹介している。高齢になっての対策の一つに「起業」があった。女性起業家についてのデータで、起業の理由に「家事や子育てをしながら柔軟に働けるから」と。起業家は仕事が忙しくて大変だと思っていたが、自分のライフスタイルのために起業することもあるのか!!と驚き。起業にかけた自己資金は50万円以下が25%とトップ。元手が少ない分、起業家の手取り収入は半数以下が20万円以下。老後資金の蓄え、年金の足しとして考えれば大きい、と。なるほど~小規模な起業、という選択肢もあるのか!!それを知れただけでもこの本を読んだ甲斐がありました。